内容説明
高耶(たかや)を探して阿蘇山中をさまよう風魔小太郎(ふうまの こたろう)は、島津の鎧武者に囲まれていた。次々と襲いかかる亡霊たちに、小太郎は神刀・嵐斬丸(らんざんまる)で立ち向かうが…。一方、高坂弾正(こうさか だんじょう)を八海(はっかい)にまかせ、高耶のあとを追う開崎(かいざき)/直江信綱(なおえ のぶつな)は、島津兵との戦いで瀕死(ひんし)の重傷を負った小太郎と出会う。「わたしという直江なら景虎(かげとら)様を裏切らない」と開崎に告げる小太郎。ふたりの「直江」の対決が始まろうとしていた!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フキノトウ
15
「わたしは、裏切らない」という意思をもった、小太郎がとっても新鮮でした。千秋さえも信じられなくなった、高耶が可哀相だった。信長に連れ去られた、綾子大丈夫かな。2014/01/18
藤月はな(灯れ松明の火)
12
三郎ではなく、景虎と呼び、彼の傍にいられることが大切になった小太郎の直江に対しての劣等感と叫びとあの展開に遣る瀬無くなります。彼は存在を認めて欲しかったのだろうか。織田信長の言動はまさにうつけ者という感じです。彼の現名が室町幕府の三管領の一つや歴史小説家、司馬遼太郎氏やインドの破壊と創造の神のシヴァを連想させる名であるのが気になります。「ドリフターズ」でも登場した島津豊久も登場。蛇蠱の場面は人工憑霊蠱猫の針口を連想しました。2012/01/27
枯伍
10
高坂に足止めを食った開崎、島津と激闘してずたぼろの小太郎、阿蘇の山中でついに出会う!小太の目はすごいねえ。直江vs直江をにやにや読んだ後で、重々しい三池家とヒムカ教の秘密に迫る。譲と斯波が熊本入り。ニアミスで種解ける。古城高校で生徒と共に戦う譲の気持ちが切ない。清正は斯波と合流し本妙寺の結界を解く。綾子、織田に拉致。熊本市内は島津と大友の激戦地となってしまう。謙信と直江に捨てられたと思しき高耶はどうなってしまうのか。人質交換の場所で千秋までを疑る始末~なところで烈風編に続く。2018/01/16
あすな
9
あいつが、俺を殺しにくる。それが、おまえを解放することになるなら、俺は…。それぞれの、決断のときが迫る。/冒頭からやってくれる。二人の直江が遂に対決。直江氏贔屓の私としては、本物に、早く高耶ちゃんのところに向かって欲しいとは思うのだけれど。こたもなあ。「名を呼んで欲しい」なんて言われちゃうと、もう二人で行きなよ!と言いたい気持ちにかられる。しかし、当の高耶ちゃんのメンタルが。ああ、ほんと毎回思うけど、心が抉られるよ!/信長様、怖過ぎ。晴家は攫われちゃうし、譲は乗っ取られるし。解決すべき問題が山積み。2014/01/11
猫洞(ฅΦωΦฅ)銀
8
仮直江VS偽直江!!どーなるのー!?とハラハラ・ドキドキの展開でした。…どちらも虚しく景虎を助けられず… 小太郎の想い届かず…涙。信長の破壊力に慄き、譲さん…なんでこんな時にやって来るの!?と苛立ち…仕方ないよね、親友の安否が気掛かりだったもんね…でもヤバいよー! 怨将って亡くなった当時の年齢で黄泉返るのかしら…?だとしたら景虎って若いよね…そんな若さじゃ多感過ぎるのも当然か…と思いつつ、誰も信じられなくなって…仲間である千秋と死闘!?で終わります。鬼八伝承も辛く悲しい。巻末の相関図には感謝でしたー☆2013/02/21