内容説明
モンゴル族の覇権をめぐり、テムジンのキャト氏とタイチウト氏の対立は激しさを増しつつあった。タイチウト氏の長のひとりであるトドエン・ギルテは、軍師役のオルジャの提言で、テムジンとの戦いに助勢させるため、玄翁と呼ばれる老人のもとを訪れる。コンギラト族の領内に住む玄翁は圧倒的な気をまとっており、自在に動く強力な五十騎の精鋭を率いていた。玄翁はトドエン・ギルテの依頼を受け、羊百頭分の働きをすることを約束する。テムジンと、ジャンダラン氏のジャムカは、タイチウト氏との戦いで、玄翁が率いる五十騎の恐るべき力を目の当たりにすることに……。
目次
ある年の草
雲に似て
青鶻の獲物
季節の兆し
竿の先
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
91
この10年間様々な事があった。死んでいてもおかしくなかった。それでもテムジン様は生き延びた。私は時々振り返る。イエスゲイ様の軍は消滅したからテムジン軍は殆ど無から作り上げなければならなかった。しかもテムジン様は若かった。若過ぎたと言ってもいいだろう。そうテムジン、後の将来のチンギス・カンの配下の者が語るシーンが印象的。今巻では確かに危機一髪の戦いもあったが、その上で一族を強くしていく為の基礎造りも描かれていた。そうした中で描かれる母の愛情もあり、傭兵である玄翁の強靭さありと相変わらず北方節に酔わされる。2025/02/07
chiseiok
31
モンゴル高原の様々な場所での様々な人々の営み。主人公たるテムジンにフォーカスするわけでもなく、各人各様まんべんなくフラットに丁寧に描写している。メルキトの族長トクトアと片目の狼ダルドの交感のシーンなんかはめちゃ心に沁みた。戦もそこそこ発生してはいるものの、レベルはまだ小競り合いと呼べる程度…と、思いきや噂のジョーカーキャラ玄翁の鮮烈な登場!ハードカバー刊行の頃にちらちら気にはなってたものの、いかんいかん文庫化までは我慢や!と情報シャットアウトしてました。ここからぐいぐいと物語は動くのかな。楽しみ過ぎる〜。2025/01/27
Book Lover Mr.Garakuta
25
【おきな書房】【速読】:テムジンが征服者として、一進一退をしつつ、その片鱗を見せながら成長していくさまが面白かった。2025/03/04
フク
16
#読了 黒い旗を掲げて駈ける一頭の大きなけものが草原にあらわれる。 玄翁が甘蔗から作った強烈な酒をやっているのはかつての長い旅を思い出せてとても良い。いつか南の話も聞きたい。 2025/03/25
播州(markⅡ)
16
玄翁とぶつかり、負け続けるテムジン。玄翁に具足を切られ、タルグダイの右腕を奪うも、再度玄翁に斬られる。トドエンギルテを倒し、モンゴル内のごたごたは終わりを迎えつつある?次は国との戦か?トクトアと、狼ダルドとの友情がかっこいい。というか、作中でしれっと数年経過してる。玄翁の正体がめちゃくちゃ気になる。2024/12/28
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