内容説明
憲法改正問題で毎日のように「立憲主義」の言葉をメディアで見ます。 ところで、立憲主義とはそもそもどんな「主義」なのか。 本書は、ギリシャ以来の知の歴史から立憲主義の意味を語り、憲法九条をはじめとする日本国憲法の精神を探る壮大な試みです。 憲法改正問題でゆれる現在に必要な一冊、佐藤憲法学のもう一つの成果です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
1.3manen
26
穂積陳重によれば、憲法を最初に訳語としたのは1873年の箕作麟祥という(18頁~)。国家総動員法は、法律に留保されていた国民の権利・自由の多くを勅令に委ねるもので、明らかに憲法違反だった。が、近衛文麿の絶大な人気で議論されることなく可決された。アメリカの憲法の父マディソン:自由と共和政体を尊重、政府に必要な安定性と活動性を確保することこそ憲法の最重要課題と捉えていた(188頁)。2016/01/28
ceskepivo
9
立憲主義は長い歴史を通じて人類が学び取った深い叡智。立憲主義の神髄は、政治的権力に対する法的統制であり、その点、法律家、法曹の果たす役割が大きい。違憲立法審査制が「国会が唯一の立法機関」であることとの関係で難しい制度であることは理解するが、違憲か合憲かで世論が分かれる場合に、最高裁が黙っているというのはいかがか。2015/08/08
うえ
5
これは名著。日本では余り触れられない立憲主義の祖国イギリスについてもコークやブラックトン等詳細。思想的宗教的背景はやや甘いがかなりの文献を狩猟し読み応え十分。日本の違憲とは…「最高裁判所の憲法判決には、先例としての事実上の拘束性がある。そして、最高裁判所の違憲判決は、違憲判決は、違憲無効とされた法律を法令集から除去せしめる効力を有しない(有するとなると、それは法律を廃止するという立法行為「いわゆる消極的立法」となって、国会が「唯一の立法機関」とする憲法四一条との関係で問題となる)」各国の違憲審査にも詳しい2015/07/31
お抹茶
3
放送大学のテキストを再編集。憲法各論ではなく,欧米の憲法法制史が中心。フランス革命後,絶対君主に代わる絶対国民が特別代表者に委任して憲法を定めた。大日本帝国憲法では,天皇が各種大権を自己の意思に沿わせると万世一系の神聖不可侵性が維持し難くなることからも輔弼体制が取られた。フランスでの従来の民主主義論は議会の意思と国民の意思を同一視したが,さまざまな人々による政治社会を視野に入れるべき。2016/03/13
スミレ雲
3
西田哲学を引いているところ、田中美知太郎をひいているところが新鮮であった。政治・行政の話をしながら、彼らを出してくるところが面白い。東京堂でフェアをしていたので、目にとまった本だけど、買ってよかった。2016/08/02
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