内容説明
理想の生き方は住まいとリンクする! 方丈記を源流とし、日本文学における住まい観の多様な広がりを浮き上がらせる、意欲的な一冊。鴨長明、兼好から?外、漱石、森茉莉、吉田健一まで…先人たちは、住居と日常に何を見出したか? 『徒然草』に描かれた“好ましくない室内描写”など興味深い資料も収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
竹香庵
1
もう少し仏法視点での住処について論じられているのかなと思っていたのだが、意外と近代まで、それも草庵ではないお屋敷についての、文学史的な視点からの本だった。西行・芭蕉と、長明・兼好では、その系譜が微妙に違うのだろうか。長明までは西行・芭蕉にも繋がるように思うのだが、どう考えても鴎外ん家は草庵ではない。お手伝いさんまでいそうな、ナントカ伯爵邸などを思わせるお屋敷っぽい。となると、草庵と草庵文学とお屋敷とを同列に読んでいても、あんまり仏法の清貧さなどの学びにはならなかったような…。でもこの本自体は興味深かった。2019/12/22