内容説明
我々を震撼させた9.11のテロ事件は,果たして「文明の衝突」の帰結なのか.世界を「文明」と「野蛮」に分割する暴力は,無制限なグローバリゼーションによって我々の社会をも分断しようとしている.その暴力に対抗し,境界線を超えてゆく新たな構想力の可能性はどこにあるのか.4人の編集協力者による白熱の徹底討議.
目次
目 次
はじめに──近代の臨界へ
i 文明と野蛮
「文明の衝突」とグローバル化の地政学 姜尚中
「文明」とその他者との分割をめぐって 高橋哲哉
討 論
三つの問題系/福沢諭吉と日本の近代/脱‐暴力化としての文明/文明論的な視点の問題性/キャッチアップの不可能性/ 「見棄てる」という権力モード/共存は可能か?/アジア主義再考/アメリカの定義する「国際社会」/デ・ファクトな力/リベラリズムの危機?
ii 分割と境界
「見棄てる」という暴力に抗して 齋藤純一
境界線と政治 杉田 敦
討 論
完全な退出は不可能である/境界線の相対化/国家の再定義/ソーシャル・セキュリティの回復/ステートの論理の限界/グローバル・エコノミーの功罪/デモクラシーとステート/身体感覚と境界の変容/国際機関の問題/ 「内外の区別」の脱構築/アテンションのエコノミーを変える力/責任,法,応答可能性/法規範の越境とその両義性/国家テロと例外主義の常態化/新たなシティズンシップにむけて
あとがき──問いつづけること
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
colocolokenta
15
識者による現代世界に関するパネルディスカッションという感じ。9.11をめぐって、世界を解釈している。この本の出された10年前にはすでにこのような捉え方をしていたのかと思うと、考えることのプロというのはすごいものだと思った。だが、あとがきにもあったが、世界はめまぐるしく変化している。この当時、中国の脅威については一切触れられていない。わずかの間にアメリカ一極支配は失われつつあり、中国、ロシアの台頭と日本の立ち位置、そういったことについて考えていかなくてはならなくなっている。2014/03/27
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