思考のフロンティア<br> ポストコロニアル

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思考のフロンティア
ポストコロニアル

  • 著者名:小森陽一
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • 岩波書店(2018/02発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784000264358

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内容説明

1945年の敗戦以降,忘却されていた植民地主義の問題が新たな課題として浮上している.いかにして近代日本の植民地的無意識は形成されたのか.後発近代国家が抱え込まざるをえなかった,欧米列強への過剰な模倣と擬態というその起源に溯り,植民地主義以後の世界を生きる現在の我々が解決すべき課題の所在を明らかにする.

目次

目  次
   はじめに

 Ⅰ 開国前後の植民地的無意識
  1 大陸・半島・列島の地政学
  2 「文明開化」と植民地的無意識
  3 「脱亜論」的植民地主義の形成

 Ⅱ 植民地的無意識への対抗言説
  1 「廻転」と「小廻転」
  2 日露戦争と植民地主義
  3 朝鮮の植民地化と『門』
  4 植民地主義と「浪漫主義」

 Ⅲ 敗戦後の植民地的無意識
  1 象徴天皇制と植民地的無意識
  2 戦後における「文明」と「野蛮」
  3 植民地主義と戦争責任

 Ⅳ 基本文献案内
   あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

14
福沢諭吉の論法では、今や西洋の文明国と比べてかつての文明国も半開に過ぎないが蝦夷人に比べれば日本は文明国だという仕方で、半開はつねに自分よりも野蛮な存在を捏造し続けなければ上位を保てない、と分析。たんに植民地を支配しただけでなく、欧米にザ・文明を押しつけられていることを自発的な文明開化と言い換えて無意識に忘却する一方、東アジアへ侵入し帝国としてふるまうときにはやられた植民地化をお隣に節操なくやり返す分裂を日本の植民地化の歴史に見る。漱石の小説や戦後すぐの教科書などをも通じて流れる問題に触れるための入り口。2017/05/09

1
卒論に関連して読んだ一冊。日本における植民地主義は、「文明(欧米)」の側から「未開」「野蛮」と見なされる恐れと不安を忘却して自らを「文明」に位置づけるために、他者としての鏡である「未開」「野蛮」を構造的に必要とし、「発見」し、作り出すというかたちで形成されてきた……との下りが重く響いた。明治期の日本に対する、いわゆる『坂の上の雲』的な語りに接する上で、合わせて持っておかなければならない認識だなと……2023/07/09

瀬希瑞 世季子

1
概説書ではなく日本の近代から戦後までの歴史をポストコロニアリズムの視点から読み解くものとなっているが、そのお陰でポストコロニアリズムの問題を自分と身近なものとして考えることができる。夏目漱石の小説をポストコロニアリズムの視点で読み解く章が面白かった。2021/07/13

一分前

1
良心的で優しく見えるおばあちゃんがなぜアジア諸国のことや第二次世界大戦のこととなると強硬な姿勢をつらぬくのか、小さいころからの疑問が書いている記述に符号するようだった。それと、自分が高等教育まででうけてきた歴史観が、日本の植民地主義的観点をすっぽりとぬいたものであったことにも気づいた。2015/10/24

КИТАРУ МУРАКАМУ

1
日本の植民地主義から出発するという意味では、アクチュアルなポストコロニアルの入門書。2011/01/06

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