内容説明
90年代後半に登場した日本版歴史修正主義.「悔悛のグローバリゼーション」といわれるほど広がった歴史の負債を「清算」する動きに対し,修正主義の台頭もまたグローバルな現象である.冷戦終結後に突出した「民族」とナショナリズム-その激化する《記憶の戦争》に分け入って,歴史の中でどう判断すべきかを考える.
目次
目 次
はじめに
Ⅰ 歴史と責任
「罪人の子孫扱いなどもうごめんだ」/ 「子々孫々まで……罪人の如く」/ 「本質主義的」民族観の罠/責任を認める側にも同じ罠が……/ 「戦後責任」を果たすことはポジティヴな行為/ 「国民としての責任」の同一性と差異/ 「終わり」ある責任と「終わり」なき責任/ 「国民」を語ることが即「共同体主義」ではない/ 「ナショナリティという善」?/ 「悼み」や「恥じ」は「責任」の引き受けに通じてこそ/ 「連 累」という考え方
Ⅱ 歴史と物語
ネオナショナリズムと「国民の物語」/ 「歴史の物語論」はどう答えるのか/ 「国民の物語」も物語られる/物語りの「倫理性」とは?/ 「批判的多元主義」とは何か?/メタ物語としての「歴史の物語り論」/ 「倫理主義」批判の背後にあるもの/柳田國男の「物語」論の問題/ 「常民」の「民俗学」の「イデオロギー批判」が必要/ 「忘却の穴」と「忘却の海」と/ 「物語りえぬことについては沈黙せねばならない」のか?/ 「語りえぬものを語ることの力」
Ⅲ 歴史と判断
「物語」の抗争/ 「法的責任」の問題/ 「多様な物語がある」ではすまない/ 「弱者」にとって「闘い」とは?/ 「法」と「正義」をめぐる闘い/ 「判断すること」の意味/ 「女性国際戦犯法廷」の試み/東京裁判の「再審」/ 「人道に対する罪」の可能性/国際人道法の「脱構築」/ 「普遍性」の反転/ 「アメリカ」という問題
Ⅳ 基本文献案内
あとがき
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