思考のフロンティア<br> 歴史/修正主義

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思考のフロンティア
歴史/修正主義

  • 著者名:高橋哲哉
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 岩波書店(2018/02発売)
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  • ISBN:9784000264341

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内容説明

90年代後半に登場した日本版歴史修正主義.「悔悛のグローバリゼーション」といわれるほど広がった歴史の負債を「清算」する動きに対し,修正主義の台頭もまたグローバルな現象である.冷戦終結後に突出した「民族」とナショナリズム-その激化する《記憶の戦争》に分け入って,歴史の中でどう判断すべきかを考える.

目次

目  次
   はじめに

 Ⅰ 歴史と責任
    「罪人の子孫扱いなどもうごめんだ」/ 「子々孫々まで……罪人の如く」/ 「本質主義的」民族観の罠/責任を認める側にも同じ罠が……/ 「戦後責任」を果たすことはポジティヴな行為/ 「国民としての責任」の同一性と差異/ 「終わり」ある責任と「終わり」なき責任/ 「国民」を語ることが即「共同体主義」ではない/ 「ナショナリティという善」?/ 「悼み」や「恥じ」は「責任」の引き受けに通じてこそ/ 「連  累」という考え方
 Ⅱ 歴史と物語
   ネオナショナリズムと「国民の物語」/ 「歴史の物語論」はどう答えるのか/ 「国民の物語」も物語られる/物語りの「倫理性」とは?/ 「批判的多元主義」とは何か?/メタ物語としての「歴史の物語り論」/ 「倫理主義」批判の背後にあるもの/柳田國男の「物語」論の問題/ 「常民」の「民俗学」の「イデオロギー批判」が必要/ 「忘却の穴」と「忘却の海」と/ 「物語りえぬことについては沈黙せねばならない」のか?/ 「語りえぬものを語ることの力」
 Ⅲ 歴史と判断
    「物語」の抗争/ 「法的責任」の問題/ 「多様な物語がある」ではすまない/ 「弱者」にとって「闘い」とは?/ 「法」と「正義」をめぐる闘い/ 「判断すること」の意味/ 「女性国際戦犯法廷」の試み/東京裁判の「再審」/ 「人道に対する罪」の可能性/国際人道法の「脱構築」/ 「普遍性」の反転/ 「アメリカ」という問題
 Ⅳ 基本文献案内
   あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネムル

13
野家啓一の歴史の物語り論に対してをはじめ、様々な批判が加えられるが、その対象を未読なので内容を上手く掴めず。歴史の入門というに適格かは疑問だが、また時をおいて読みなおす。2019/05/07

western

10
「Ⅰ 歴史と責任」ホロコーストや南京大虐殺を否定する歴史修正主義的言説の背後には、過去に自民族が犯した犯罪が「子々孫々」まで遺伝するかのような本質主義的民族観・国民観があり、また責任を認める側も同様の錯覚に陥りがちである。国家とその主権者である国民は、法的・政治的に戦後責任に全うすることによって、大日本帝国や第三帝国からむしろ積極的に距離を取ることができる。一方、有限の法的・政治的責任とは別に、未来志向でより普遍的な「記憶」の責任が存在する。「Ⅱ 歴史と物語」「想像の共同体」論と歴史叙述のフィクション性→2018/11/21

💓

5
慰安婦問題について、いつまで韓国は文句を言うのだとネットでたくさん批判されていたことに違和感があり読みました。本質主義批判についての理解と、「国民」という立場が持つ政治責任についての理解が深まりました。章では、Ⅲが一番印象的でした。複数の視点の事実。あとがきに書かれた民間裁判の様子には涙が出ました。2020/02/10

hatohebi

5
最も印象に残ったのは、戦争へ実際に行っていない戦後世代に行為の「罪」はないが、国民として「戦後日本国家に『戦争責任』を果たさせる政治的責任」があるという一節。「いつまで謝罪すればいいのか」という倦厭感は根強くあって首相談話にも反映しているように思う。だが筆者の求める「戦後責任」は生産的な議論に結びつけている。2015/08/25

ドント

3
/が入っているのが大きなポイントで、これは歴史修正主義について書いた本と言うよりも、歴史修正主義とそれへの批判の至らなさを狭くしかし技術者がネジを締めるようにきっちりと論じた本である。2015/01/15

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