思考のフロンティア<br> アイデンティティ/他者性

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思考のフロンティア
アイデンティティ/他者性

  • 著者名:細見和之
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 岩波書店(2018/02発売)
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  • ISBN:9784000264211

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内容説明

抽象的思考ではアイデンティティ/他者性という問題の核心には到達しえない.肝心なのは個々の「私」におけるその在り方である.プリーモ・レーヴィ,パウル・ツェラン,金時鐘という具体的な表現者に即して,この問いを考える.

目次

目  次
   はじめに

 Ⅰ アイデンティティの諸相

 Ⅱ 記憶という他者,言語という他者

 第 1 章 引き裂かれたアイデンティティ──プリーモ・レーヴィをめぐって──
  1 悪い知らせを届けるカラス
  2 レーヴィのアウシュヴィッツ体験
  3 ダンテの『神曲』と「シェマー・イスラエル」

 第 2 章 投壜通信のゆくえ──パウル・ツェランとプリーモ・レーヴィ──

 第 3 章 他者の言語を生きるということ──金時鐘をめぐって──
  1 クレメンタインの歌
  2 金時鐘の表現=文体にそくして
  3 抒情の他者と他なる抒情

 Ⅲ 基本文献案内
   あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネムル

10
レーヴィ、ツェラン、金時鐘の詩作を通して見る、言語とアイデンティティの関わり。ただまあアイデンティティ論というより、詩論で話がまとまり過ぎな気がしなくもないが、投壜に託されたツェランがすごく読みたくなった。2019/09/05

ああああ

3
他者との一体化、他者の言語への同一化の場所は、同時にある異和と変形が不可避的に生じる場所でもあるのだ。元来「表現」とはこの異和と変形の別名にほかならず、あの膨大な言葉の群れのなかで、永山則夫の「自己」は、いく重にも他者と、他者の言語と絡みあって、おそらくは無数の断片として散在しているのだ。そこから永山則夫の「固有の自己」を再構成するのではなく、ひたすら破片を回収すること、それが永山を「読む」ということにほかならないのだ。言うまでもなく、それは永山則夫に特有の問題ではない。ぼくら自身の「自己」もまた、2021/07/03

瀬希瑞 世季子

1
再読。これからプリーモ・レーヴィを読んでいくつもりなのでおさらいに。内容としては物足りないのが正直。あとがきで扱いたかったとあった石原吉郎がないせいで、ツェランをいまいち活かしきれてないと思った。2022/11/17

令和の殉教者

1
例えばアルジェ生まれのデリダは、母語としてフランス語しか持ちえなかったが、その母語にある種の居心地の悪さを感じていたという。フランセーズ(フランス的なもの)に十分同化できないにもかかわらずフランセーズ(フランス語)を使わなければならない感覚。それは、突如迫害を受けたドイツ系ユダヤ人や、皇民化を受けた朝鮮人の感覚において、先鋭化するのかもしれない。ツェランや金時鐘といった詩人たちは、この他者の言語としての母語をあえて使い、撹乱する。本書のアイデンティティ/他者性は、そうした両者の緊張関係に現れるものである。2022/05/18

samandabadra

1
読みにくかった。 一生懸命書いている割には 汎用性のある議論ではないように思う2009/09/04

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