内容説明
原理主義-この言葉で我々はなにを語ろうとしているのか.原理主義はイラン革命を契機として大きな注目をあびた.しかし,その実相は依然として明らかではない.果たして原理主義は「脅威」なのか.この曖昧で多義的な現象を,現代の状況と研究史のなかに位置付け直し,比較概念としての原理主義という可能性を探る.
目次
目 次
はじめに
Ⅰ 原理主義とは何か
第 1 章 現代日本の原理主義
第 2 章 論争の中の原理主義
第 3 章 方法としての原理主義
Ⅱ ユダヤ教原理主義を考える
第 1 章 ナショナリズムと原理主義のはざま
第 2 章 ユダヤ教原理主義と暴力
第 3 章 原理主義のゆくえ
Ⅲ 基本文献案内
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koke
5
大学生の時に何の予備知識もなく、ただ背伸びして購入し、以降まったくページを開かなかった積読でした。原理主義という言葉がイスラム教に対してのレッテル貼りのようになってしまっているという課題がありつつ、どのように理解すべきかといった内容でしょうか。今はイスラム過激派と呼ぶことが多いですかね。本書は911以前なんですね。ユダヤ教原理主義についての記述もありますが、知識なく難しかったです。専門書なのでやむなしですが。イスラエル、ガザの問題も今はあります。経過や歴史を知らねば、と思います。2025/08/04
keepfine
2
イスラエル研究が専門の著者にとって本書の真骨頂は第2部。ユダヤ教原理主義の内在的論理を浮かび上がらせるべく、特にハレディーム、宗教シオニスト、カハ党に注目し、ラビン暗殺に至るまで三潮流が錯綜した関係を結びつつ一つの流れへと合流して行ったプロセスを描く。2018/11/17