内容説明
保元の乱は終結した。左府頼長は敗れ、関白忠通も力を失った。新院の配流、源為義をはじめ新院方武者達の斬首、禅閤忠実の幽閉──摂関家は財の安穏と引き換えに朝廷の中枢から退き、一切は信西の掌(て)の内に……。だが、信西の前に、後白河院の寵を受けて異例の昇進をする中関白家の裔(すえ)、藤原信頼が「敵」として現れる。信西が調じ、院に献上した『安禄山絵巻』によって二人の対立は顕在化し、清盛の熊野詣を機に急展開する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
60
保元の乱の後処理的な物語になっていると思いました。頼長は敗北、忠通も関白として力を失うのですね。摂関家は財との交換条件に朝廷から退くのが、時代の力ならではではないでしょうか。後白河上皇の寵愛を受けていたために敵となる藤原信頼。信西との対立の顕在も読みどころですね。2019/05/29
かふ
15
保元・平治の乱の後始末として源氏方の武士が処刑されていくのは物語として叙情的で涙を誘うものがある。しかし、権力闘争はわかりにくく信西が執政を握ったのだが、信西は人よりも法の力で支配しようとしたが、母である者たち(美福門院や信西の妻)は息子の権力基盤を願い結果として罪のない崇徳院を貶めた。その呪いが宮廷内に及んでいると考えた美福門院は失脚していく。その過程が複雑でわかりにくいのだが陰謀を重ねた藤原家の執政が終わって武士の時代になり平清盛が出てきたのだろうか。信西の巻は退屈だった。2025/03/12
小葉
4
保元の乱の後始末。源為義の幼い子どもたちの最期が涙を誘う。為朝は魅力的。後白河のお気に入りは藤原信頼。またしても男寵。信西vs信頼。平治の乱へ。2010/10/11
tsukamg
2
保元の乱の戦後処理。為義と子らは処刑され、為朝は流され、義朝は生き残る。信西は法による統治を志すも、後白河院は想像を超えた暗君で、美丈夫・信頼を着飾らせるのに夢中。信頼を追い落とすため、信西が描かせた絵巻も、その意図が院には通じず、かえって信頼を叛徒にさせてしまう。2019/05/06
ゆうこ
2
やっと読了。病院の待ち時間に読んでいたので、さっぱり進まなかった。世は信西の思う通りになっていたが、思わぬ敵が現れて。「船岡山」の章は哀れさが胸を打ちます。 橋本氏の描写の細かさ(くどさ?)に頭が慣れないと読むのが大変。スッキリしていて集中できる場所でないと同じ箇所を何度も読み返すことになってしまう。2018/05/04
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