内容説明
御世は下り居の女帝と藤原仲麻呂のものとなった。だが、依然威勢をもちつづける女帝との対立を深めた仲麻呂は、都を逐われ、近江の地でついに命を落とす。再び御世に即かれ、道鏡への御寵を恣にする女帝も、やがて病に倒れ、治世を混乱へと導いた女帝の時代は終わる。「道鏡に狂われた孝謙女帝、怨霊となった井上の廃后、御位への執念を捨てなかった不破内親王。そして、藤原吉子と藤原薬子。女達は繋がれねばならない」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
68
藤原仲麻呂と女帝のものとなります。しかし、対立を深めて都を追われ、命を落としたのは何とも言えません。再び道教へのご寵愛を受ける女帝も、病に倒れ、世は乱れ、終止符を打つと言うのが暗黙の了解だったように思えました。藤原全盛期があっさりと描かれ、白河天皇へと時代が移りゆくようにも見えます。2019/05/21
かふ
19
藤原氏は女性の力で権力を支配してきたが、孝謙天皇は藤原氏と対立し道鏡の仏教にのめり込む。洗脳されたのかもしれないが、道鏡はあくまでも脇役で孝謙天皇の女禍の政治とされる。それから天皇は男子継承となったのは、このことがあったからとする。すなわち執権でコントロールするものがいないと国は乱れると。しかし藤原氏も女性の力が強くなって滅びることに。孝謙天皇から藤原道長の栄光(望月)まで。『光る君へ』の復習もかねて。それでも系統は混乱する。奈良麻呂を処刑した仲麻呂とか、名前がややこしい。2024/11/27
練りようかん
14
女帝の力を削ぎたい藤原仲麻呂。叛臣と言えるのか悩ましい、人の人生を左右し放題な女帝の印象の悪さだが、後半父を亡くした娘という括りで考えるとまた見方が変わって面白い。本作まで父と息子、祖父と孫、父と娘といった観点でも物語を追ってきたけれど、白河の帝の世になると幻の父に取りつかれ、父になることに拘る息子になり、そういえば清盛もといよいよ本筋に入るのかと身が引き締まった。また江戸時代に匹敵する藤原の栄華の長さは、“叛いてはならぬ、待つこと”の教えが代々守られたから。そして道長の詠んだ月の解釈が収穫だった。2026/07/31
igaiga
10
孝謙天皇が結構多めで、多いと思っていた藤原政権時代が割と少なかったなぁ。もう少しページを割くと思ったのですが。しかも桓武天皇から一気に時代飛んでるし。そっかー。誰が平家だか分からなくなってきた(^^;)2025/08/23
りー
10
勘違男=恵美押勝の乱→孝謙/称徳女帝の重祚。自分の血統が唯一無二と信じる世間知らずの箱入り娘。道鏡への遅すぎる恋が、丁寧な言葉で辛辣に描かれていました。女帝が亡くなった後、男たちが「女を帝位に就けるのはこりごりだー」と、白壁王を光仁帝として立て、皇統は桓武系へ。この後は割りとあっさり描かれ、井上内親王&他部皇子、早良親王、伊予親王・・・とそれに従って追い落とされる者たち。あとには北家だけが残ったと。で、北家の栄華を超高速70頁ですっ飛ばして描き、この巻は後三条帝→白河帝登場まで。清盛さんまでもう少しだー!2018/10/13
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