中公文庫<br> 双調平家物語14 治承の巻2(承前) 源氏の巻

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中公文庫
双調平家物語14 治承の巻2(承前) 源氏の巻

  • 著者名:橋本治【著】
  • 価格 ¥1,152(本体¥1,048)
  • 中央公論新社(2012/11発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122053236

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内容説明

源三位入道頼政、さらに三井寺の大衆をも巻き込んだ「以仁王のご謀叛」は、頼政自害、以仁王も首を打たれ、平定された。しかし清盛は、得体の知れぬ不安に駆られ、「福原への遷都」を決断する。その三月後、伊豆の配所にある頼朝は、荒聖文覚のもたらした偽の院宣により、まず伊豆へ着任した平氏の目代の住む山木館襲撃を決行する。この戦に勝利を収めた頼朝は、舅の北条時政等東国武士を従え、遂に平家追討の兵を挙げた。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

59
頼朝自害、以仁王斬首により謀叛は終結を迎えることになるのですね。しかし、不安から福原への遷都を考える清盛の想いを考えてしまいます。後に頼朝が伊豆に着任した兵士を襲うのは呪いのように思えました。頼朝の勝利により、北条時政ら東国武士を従えて平家を倒そうとする流れが武士社会を感じさせます。クライマックスがどんどん近づいてきていますね。2019/05/31

りー

8
いよいよ源平合戦です。関東の頼朝サイドは石橋山の戦い→安房に落ちるまで。都サイドは以仁王が打たれ、福原遷都→東国の噂を清盛が知るまで。まるで重なったレイヤーのように、上から見れば一つの絵になっていても、一つ一つのレイヤー(登場人物の思考)は交わることがなく、誰一人として噛み合っていない。特に、様式と格式で全てが決まる都と、現実を見すぎてしまった関東武士とは思考回路が別物。関東に住む身としては、身近な地名や因む氏名が沢山出てくるのに、全然知らない(畠山氏の来歴とか!)自分に大ショックです。学ばねば。2019/09/01

tsukamg

2
源頼政の挙兵から頼朝が石橋山に敗れるまで。 頼政は古いタイプの武士。時代の幕引きをするように滅んでゆく。 人となっていく時期に流人として育った頼朝にはそもそも武士の素養はなかったが、叔父の行家がもたらした以仁王の令旨と、文覚による偽造院旨によって、戸惑いながらも挙兵し敗れる。が、その経験は、この女に飢えた子作り大好き人間に、東国武者の従え方を学ばせてゆく。 文覚が出家するエピソードはひどい。アイドル刺傷事件を思い出した。2019/05/23

ヒロミ

2
正直合戦シーンはしんどい。華やかな鎧兜がすごいとは思ったけど…。かわいそうなのが袈裟御前ですよ。文覚には本気で腹が立ってしまった。源平盛衰記(?)では文覚と袈裟御前の夫が和解の末揃って出家すると別の本で読んだのですがなんじゃそりゃ。双調では和解シーンがなくてよかった。2013/03/30

YH

2
頼朝が鎌倉幕府を興したことは誰もが知っている事実ではあるけれど、この物語では、流人として挙げるべき兵すらも持たない頼朝の姿が描かれており、良く平家に勝てたなあと不思議な気持ちになる。思えば、古代から描かれた橋本版の平家物語では、偶然や思いもよらないことが原因で盛衰が決まってしまう事が繰り返し語られており、歴史にイフはないけれど、現在が、こんな偶然の結果であるならば、「もしも」と考えたくなる沢山の作家さんの気持ちも良くわかるなあと思った。2011/06/17

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