内容説明
天智の帝亡き後、大海人皇子は大友皇子との皇位継承をめぐる叔父甥の戦い──壬申の大乱──に勝利し、天武の帝となる。一方、鎌足公の嫡子、藤原不比等は、天武の帝の後を継いだ持統の帝の御世において新帝擁立に功を奏し、栄達の道を昇って行く。「皇統という鶯の巣に生みつけられる、藤原という杜鵑(ほととぎす)の卵。鶯の巣に孵って、生まれ出た杜鵑は、鶯の雛に代わって鶯となる。藤原の朝臣は、ただその日が来るのを待てばよい」。
目次
近江の巻
狐
天智暗雲
嵐
狂気
太政大臣由来
壬申大乱
夏日到来
吉野恋慕
藤蔓
姦
御佩刀
無欲執着
大宝律令
順逆両手
文武帝御早逝
上官婉児
春鳥夏鳥
御早熟
藤三娘
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
65
壬申の乱に勝利した大海皇子が天武の帝となります。一方藤原不比等がどのように藤原の礎を築いていったかが描かれていました。不比等の栄華は持統天皇の帝の新帝擁立と言えるでしょう。不比等亡き後は聖武天皇の世になるものの、どこかで不吉さを感じます。清盛はまだ出てきませんが、世界的に栄華の一族とその価値は押さえておいた方がいいのかもしれません。2019/05/19
のんき
6
壬申の乱前史あたりから聖武即位のあたりまで。「あたり」というのは話が行きつ戻りつするため。個人的には不比等がどう描かれるかが一番興味があったのだけど、出てきてはひっこみ出てきてはひっこみの繰り返しで焦れったかった。でもそこが「らしい」という気がした。ぐだぐだしているうちに時代が進んでいく感じが堪りません。2010/02/24
セイコリーノ 願わくは図書館、本が「希望の綱」となりますように
4
やっと読みました。まだ持統天皇なのですが、歴史は繰り返す。母が子を思うため、それを推し進める。いつの世もひとのこころは変わらないのだな、と思いました。2019/03/10
小葉
3
天智天皇から聖武天皇まで。帝の血筋に絡まりつく藤。藤原不比等と持統、文武、元明、元正帝との関わりが興味深い。里中満智子「天上の虹」とほぼ時代が重なっているのだけど、人物像の描き方の違いが面白い。そして、天上よりもこちらの方が私にはしっくりきます。2010/07/02
えぐざいる
3
前の巻も含めて「日出処の天子」とか「飛鳥昔語り」とか「天上の虹」とか以前読んだ漫画で刷り込まれた人物描写との違いを感じながら淡々と読み進めました。巻頭の恐ろしく複雑な系図の、異母・異父兄妹・伯父姪、婚姻の血と血が織り込まれた中で、孤児の不比等があっけらかんと生きていく様がとても気持ちよかったです。2010/01/13
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