内容説明
今川義元の死は元康の運命を大きく変えた。敗戦にまぎれ岡崎へ帰城、独立の第一歩がいま踏み出されたのだ。信長との同盟もなり、徳川家康と改名、今川の旧領を掌握して勢力を拡げたが、それは妻瀬名姫のはげしい反感と憎悪を買った。矛盾を内にはらんだまま、家康の東海制覇は着々とすすんでいく。
感想・レビュー
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starbro
189
『★山岡荘八版徳川家康全26巻完読幕府』 https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11539472?sort=book_count&order=desc 今回は、第四巻、松平元康⇒松平家康⇒徳川家康の巻でした。本巻では、ようやく徳川家康が主役になりました。徳川家康は、三河の種馬継続です(笑)【読メエロ部】続いて第五巻へ。トータルの感想は、全26巻完読後に。2020/03/13
ともくん
59
今川義元が織田信長に討たれ、人質生活に終止符を打った元康。 名も徳川家康と改め、武将として、急成長してゆく。 家、女、子孫、などなど、ひとつひとつを噛み砕いて考え、ひとりの男としても成長してゆく。2019/05/13
さつき
42
家康と築山殿との溝がますます深く、もはや埋めがたいようになっていくのが悲しかったです。夫のことを愛しているのに自分の価値観に囚われて、その志しは少しも理解しない妻。モンスターのようで恐ろしいです。家康が他の人に目を向けてしまうのは仕方がないですね。側室に後家を選ぶ傾向は『覇王の家』では家康の用心深さとして語られていましたが、本作では家臣からの示唆で始まっていました。同じ結果でも語り方によりだいぶ印象が変わります。2016/10/19
姉勤
33
元康が家康となり、松平が徳川となる。信長との同盟は彼は西へ、我は東へと版図を望む。主君と家臣。「三河武士」という価値観が、腹の立つ物言いにも主が臣下に耳を傾け、死を厭わず家臣は諫言する。現代失われた「忠」という心の働きが胸を打つ(打てば響く主という前提だが)。その対極にあるような、築山殿の身の処し方。剥き出しの女のカルマは、難攻不落の城を抜くより手に負えないのが男だとしても、家康の多情多恨は多少禍根。2016/11/23
しーふぉ
28
桶狭間から浜松城を取るまで。股肱の本多忠勝、榊原康政、井伊直政が旗本となり。酒井忠次、石川数正が采配を振るう体制が整った。嫡男信康も元服し信長の娘徳姫と婚礼する。何故築山殿を浜松城に引き取らなかったのか…悲劇の種が徐々に大きくなる予感です。2019/07/17