内容説明
大坂冬の陣! 籠城を決定した大坂方は河内出口村の堤を破壊し、枚方(ひらかた)付近の道を閉ざした。しかし家康は容易に二条城を動かず、東海道を大軍で西上する秀忠にも、「急ぐな」との命を発する。はたして家康は、胸中に何を秘めているのか? 紆余曲折ののち和議成立。が、それも束の間、時の勢いは夏の陣へ……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
159
『★山岡荘八版徳川家康全26巻完読幕府』 https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11539472?sort=book_count&order=desc 今回は、第二十四巻です。『大阪冬の陣&真田 幸村ガッカリ』の巻でした。続いてラス前第二十五巻へ、残り二巻です。トータルの感想は、全26巻完読後に。2020/04/10
keroppi
70
戦争を望んでいないのに、戦争に向かってしまう。平和を望んでいるのに、そうはならない。様々な人の想いが、戦争を呼び込んでしまう。「戦争と平和の巻」と題されたこの巻、戦争に向けての登場人物達の生き様が交錯する。2020/04/18
財布にジャック
57
ついに大阪の陣に突入してしまいますが、これって何とかならなかったのかとイライラしながら読み進めました。あまりにも沢山の人物の気持ちが、この一冊の中に詰まっていたので、苦しくて哀しくて読むのが辛かったです。このすれ違いや誤解やジレンマから抜け出す道はなかったのか、戦う以外に選択肢はなかったのかと複雑な気持ちさせられました。誰が悪いのかも、もうさっぱり解らなくなりました。どうしようもない時代の流れに翻弄される人々をこの後も見守るしかないようです。2013/02/08
ともくん
51
徳川家康、最晩年にも関わらず、難題が次から次へと襲いかかってくる。 家康の思いを理解せずに、戦へと傾いていく大阪方。 故太閤との約束を何としても果たしたい家康。 その中で、秀頼の愚かさだけが浮き彫りに。 家康の苦悩に胸を締め付けられる。2019/12/13
さつき
47
ついに戦いの火蓋が切られて大坂冬の陣の始まりです。家康、秀忠、そして織田有楽斎、大野治長、それぞれの思惑のすれ違いが重なり事態は家康の思うようにはいきません。戦争を人の世のある限り絶えることのないものと規定する真田幸村の姿は思うように采配が振るえないジレンマもあり、悲しいです。人と人とが本当にわかり合えることはない。だからこそ相手に向けた悪意は必ず自らに返ってくる。年老いた家康に思うにまかせない現実が辛くのしかかります。幸せなひとときは束の間。もう二度と来ないと思い定めた道を西進する様子が胸に刺さります。2017/04/05