内容説明
長篠の役(えき)は織田・徳川連合軍の圧勝に終わり、武田騎馬軍団は潰滅した。この戦いで、日本の戦術を一変させた信長の武名は天下に轟(とどろ)き、家康も日増しに貫禄を加えた。しかし戦国の世は甘くない。信長の疑惑をこうむった家康は嫡子信康を切腹させ、正妻築山殿を斬らねばならなかった。哀しきかな戦国!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
171
『★山岡荘八版徳川家康全26巻完読幕府』 https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11539472?sort=book_count&order=desc 今回は、第七巻、徳川信康自刃事件&武田氏滅亡でした。徳川信康自刃事件に一巻、500頁を割けるのが、全26巻の成せる技です。続いて第八巻へ。トータルの感想は、全26巻完読後に。2020/03/19
ともくん
62
家康を父に持ったが故の苦悩、懊悩、葛藤、焦り、迷い。 それが、全て愚の行動へ出てしまった。 そして、最後には父の偉大さ、己の愚行を悔い、自害。 信康、21年の生涯を閉じた。 そして、武田家でも同じようなことが勝頼の身に起きる。 武田家が滅亡して、信長がまた一歩、天下取りに近づいた。 ここまで、分かりやすく、面白く話を紡ぎ出せる山岡荘八に脱帽である。2019/06/25
kawa
43
武田勝頼との攻防。長篠の戦いから天王山での勝頼の自刃までの7年間、この間に、家康の妻子(築山御前と信康)も自刃。全26巻、前半の山場のような趣き。勝頼の戦略眼の無さや、じっくり構えられない行動癖が、一騎当千の武田軍団のあっけない自壊を招く。信康も合わせて後継者作りの難しさを考える巻。なお、信玄死後、家康を苦しめた勝頼軍による高天城戦などは描かれていない(伊東潤著「天地雷同」並行読書で知る)。2021/12/29
さつき
43
7巻では、ついに悲劇が行き着くところに行ってしまいました。だいぶ前から散々語り尽くされてはいたので、思ったよりは落ち着いて読みました。この出来事により、家康が武辺者で占められた家中を飽き足らなく思うようになったんですね。後の謀臣、本多正信の登場が待たれます。そして武田家の最後はやはり悲しいものでした。信長と家康では勝者としての姿にも著しい違いがあります。次巻も楽しみです。2016/11/09
KEI
37
前半の舞台となる長篠城跡を見に行く時に読む。実際は狭いエリアの中の籠城戦なことに驚く。(有名な鉄砲戦は設楽原で別の場所)鳥居強右衛門の旗印もインパクト大です。この巻は長篠に加え、家康妻子の自害(殺害)、武田家滅亡と読んでいてツラい話がてんこ盛りです。特に妻子の自害は、自分におきかえても、信長に従う、従わないなど、感情移入しながら読んじゃいました。まさにどうする家康でした。2021/12/22