内容説明
小牧・長久手の地に、秀吉と家康は宿命の対陣に入った。両者智略を尽くしたかけ引きの末の和睦の条件は、家康の次男を秀吉の養子とすることだった。戦いには勝っていると信ずる三河武士団は血涙を噴騰させた。養子とは、すなわち人質にほかならない。しかし家康は、ぎりりとならぬ堪忍の緒を締めてゆく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
156
『★山岡荘八版徳川家康全26巻完読幕府』 https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11539472?sort=book_count&order=desc 今回は、第十巻、漸く二桁迄来ました。小牧・長久手の戦い&羽柴筑前守天下人への巻でした。続いて第十一巻へ。トータルの感想は、全26巻完読後に。2020/03/25
ともくん
64
小牧・長久手の戦いがメイン。 家康、秀吉、双方譲らず。 知能戦が繰り広げられる。 ただ、突進していくだけが戦ではない。 勝つためには、退く勇気も大切。 大局を見て、時にはわざと負けることも大切なのだ。2019/08/17
さつき
43
10巻は小牧長久手の戦いがメイン。じっくりたっぷり楽しんで読みました。人の心の機微を読み、時におだてたり恫喝したりして思いのままにあやつる秀吉。常に裏の裏まで考えている策士が、池田勝入の真心につい動かされ下手を踏んでしまう。面白いです。石川数正と本多作左衛門の覚悟には胸がふるえる思いがしました。それを受け止める家康もふところの深い主君になりましたね。2016/12/01
kawa
39
「戦はな、勝ちすぎてはならぬものじゃ」家康の小牧・長久手の戦いの後の言。ここしばらく秀吉の動と明に翻弄されてきた(楽しみましたが)本作だが、鮮やかな切り返しで主人公・家康に話しを戻す技に脱帽。作りものと思いつつ、プロ小説家の力量はスゴイ。後に、わが故郷の殿さまとなった石川教正の動向にもドキドキ。2022/02/11
keroppi
37
家康と秀吉、その家臣たちの、肚の探り合い、某略、策略、駆け引き。その中で見えてくる家康と秀吉の未来像。登場人物たちの語る言葉を読んでいると聞こえてくる「嘘ですけど、なにか?」。2017/05/18