内容説明
天下統一のためには家康に臣下の礼をとらせなければならない。肉親家臣の犠牲もやむをえない。秀吉の政略は青白い陰火の相をおびはじめた。佐治秀正との愛の巣を無残に裂かれた朝日姫の悲嘆、秀正の憤死。一方、家康への忠誠ゆえに出奔しなければならない石川数正の慟哭。戦国非情の風は止む間もない。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
165
『★山岡荘八版徳川家康全26巻完読幕府』 https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11539472?sort=book_count&order=desc 今回は、第十一巻、『関白 豊臣 秀吉 誕生』&『石川 数正はつらいよ!』の巻でした。続いて第十二巻へ。トータルの感想は、全26巻完読後に。2020/03/26
ともくん
67
この物語、どこまで面白くなってゆくのか。 家康の大将としての器は計り知れない。 己の天下を見越して、動く家康。 先の先まで見越せる目を持つ家康。 この先の運命を家康は、もう見ているのだろう。 すべては家康の手の内にあるのだろうか2019/08/31
harass
46
表紙は朝日姫。長年家康に仕えてきた石川数正が出奔し秀吉側に。史実では理由がはっきりしていないが苦しい内面のドラマが描かれる。秀吉と戦うことの無意味さを家康は分かっていたが脳筋の家臣たちを抑え、秀吉に家康の真意を伝えるための石川の努力が実り、秀吉の実妹朝日姫を正室として家康に嫁入りすることを飲む家康。しかし朝日姫はもう43歳で夫もいるが、秀吉の命令に切腹する夫。いろいろ理由をつけて断ろうとする家康に、なんと秀吉は実の母を人質として朝日姫につけることに。そこまですると家康も許諾するのだが。凄いとしか言えない。2025/12/20
さつき
40
11巻は小牧長久手の戦い後の顚末。家康を上洛させたい秀吉と、簡単に臣従はしたくない家康の腹の探り合い、駆け引きが続きます。間に挟まれた石川数正の苦悩、仲睦まじい夫婦だった佐治日向守と朝日姫を襲う悲劇。ただの政略と思ってしまうと権力者同士の傲慢な意地の張り合いに思えてしまいます。堺の商人たちの視点が描かれることで、平和を求める気運の高まりやその結果としての秀吉の天下であるという見方が提示されました。より物語に深みが出たように思います。2016/12/06
KEI
39
今巻は、石川数正出奔、朝日姫の家康輿入れの巻。天下は秀吉のもと統一され、政治的な思惑で少しでも有利な位置とるべく動いている。石川数正、朝日姫はその思惑で悲劇的な立場に立たされる。今巻から家康の狸おやじの片鱗も見えだす。残り15巻!!2023/01/27
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