河出文庫<br> 最後のトリック

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河出文庫
最後のトリック

  • 著者名:深水黎一郎
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • 河出書房新社(2014/10発売)
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  • ISBN:9784309413181
  • NDC分類:913.6

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内容説明

「読者が犯人」というミステリー界最後の不可能トリックのアイディアを、二億円で買ってほしい―スランプ中の作家のもとに、香坂誠一なる人物から届いた謎の手紙。不信感を拭えない作家に男は、これは「命と引き換えにしても惜しくない」ほどのものなのだと切々と訴えるのだが…ラストに驚愕必至!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

徒花

449
トリックについては人によってアリかナシか判断が分かれるところだろうが、個人的には十分アリだった。むしろ、著者本人もトリックに十分無理があることを重々承知しているからこそ、この結末に納得感を抱かせるための入念な布石を打ち続けているのが本書であり、その丁寧さはよい。ただ1点、ひっかかったのはヒデ坊のことについて。理論的に考えれば「対人恐怖症が細分化できる」という要素を説明するために挿入されたのだと思うが、ほかと比べて唐突感があるし、最後に絡んで来なかった点がちょっとモヤモヤした。2016/08/01

夢追人009

335
初読み作家・深水黎一郎さんのデビュー作で面白くて頁を繰る手が止まらず一日で読み終えましたね。著者はとにかく該博な知識で読者を決して飽きさせない才能に長けておられますね。決して適当な文章ではなく事実に裏打ちされたエピソードはどれも参考になりますしとても勉強にもなりましたね。超心理学・超能力研究の第一人者、古瀬博士はテレビに出演して絶対に髪の寝ぐせは直しませんが強い信念の持ち主で大好きになりましたね。超能力実験の実態や他にも生命保険の免責期間についての知識や天体観測に魅せられた男のロマンも魅力的な話でしたね。2022/02/14

ゆー。

273
『読者が犯人!?』 なんてこった‼私も犯人になってしまった。この物語を読み終えたら『犯人』になってしまう。 賛否両論。発想が良い、そうきたか!!確かに犯人だ、こじつけ、ずるいテレパシー能力、嫌い、など様々な声があったけど…共犯になりたくなければ読まないこと。それしか言えない。ただ、読んだからといって罪に問われることはない。落とし前をつけるため出頭する必要もない。ただ、犯人に仕立て上げられることだけは避けられない。2021/06/21

あきら

218
ページを捲るワクワク感は相当なもの。 すごいアイデアだと思う。いい意味で異常な物語。 本でしか味わえないトリックでした。 ついでにミステリーに関する造詣が深く、勉強にもなりました。2021/07/30

nobby

215
“読者全員が犯人”この帯見れば、それは気になる!(笑)「2億円で究極のトリックを買って欲しい」そんな手紙からの期待とはちょっと違う展開…超能力やら生命保険やら何か関係ない事柄がやたら細かい描写に?確かに伏線なんだけど、ちょっと説明くどいかなぁ。トリック明かされた感想は「ふーん…」「なるほど…」「まあねぇ…」みたいな感じ。確かに自分が殺したことは認めざるを得ない。ちょっと現実味はないが、説得力はあって変化球楽しめた。2015/05/09

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