内容説明
米穀卸商の坂本が水死体で発見された。死の直前に坂本が電話した相手は光彦の母・雪江。浅見は母の依頼で調査に乗り出す。一方、長野県では大量の闇米横流し事件が発覚。竹村警部もまた、捜査を開始し……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
52
冒頭から殺人事件に始まり、食管制度に絡み次から次へと殺人や行方不明が頻発する。問題の大きさが大きさだけに舞台も酒田から長野、大阪と非常にスケールが大きいのも特徴。毎日何気なく食べている米だけど、政治が絡むと利権や何やらで非常に胡散臭い事になっているのですね。あと『はちまん』もそうだけど、著者の政治がらみの事件は後味がいまいち良くないのも特徴。小説だからすっきりしたいなあ。ともあれ消費者の立場としてはヤミ米とかいう胡散臭い言葉が無くなり、各地方の特色ある美味しい米を食べれる現在は歓迎すべきと考えております。2020/08/22
しんた
6
ご飯好きは読むべき作品。農林水産大臣が花形である事がうなずける、巨大で難しい米相場の話がメインで、犯罪の構図は内田テンプレ。ただ他の作品と比べて犠牲者が多く後味悪し。2020/03/08
Kiyoshi Utsugi
6
内田康夫の「沃野の伝説(下)」を読了しました。 下巻で新たに登場するところは、長野県の上田、栃木県の那須でした。 上巻に登場したところも含めて、どこも一度は行ったことのあるところなので、楽しんで読むことが出来ました。 米に関する莫大な利権に絡んだ大きな犯罪ということで、非常に面白かったです。 図書館で借りたら、何故か下巻だけ文庫本になってました。2019/07/24
さばきち
1
3度目。今までで一番お話が自分の中にスッと入った気がする。日本の農業はこれからどうなっていくのか。国産のおいしいお米や野菜を毎日気軽に入手できる国であることを祈るばかり。2018/03/08
いぬかいつまき
1
浅見光彦と竹村警部の二度目の共演だけど、どうしても人気キャラである浅見に華を持ってかれる竹村が気の毒。岡部警部もそうだけど、浅見もの以外で再登場が望まれるところ。 ラストのカーチェイスに始まる畳み掛けるような事件の「崩壊」はややスピーディすぎる感もあるが、迫力たっぷり。最後に明かされる「もう一つの犯罪」は、場所も同じとあって、内田康夫の初期のとある作品を連想した。2011/09/25