内容説明
〈魔界都市〉に潜入した三人の男女。モデルの魂を絵に封じる不死の妖画家ドリアン・グレイと彼を追う不死身の美女エリザベス、そして彼女を造った科学者フランケンシュタインであった。百年を超える彼らの凄絶な追跡行に、〈新宿〉一の人捜し屋秋せつらが巻き込まれた。やがて争乱は、吸血鬼一族の長・夜香、女魔道士トンブ・ヌーレンブルク、〈魔界医師〉メフィストをも呑み込む。
〈新宿〉の魔人たちが倒れる中、遂に異界への扉が開く。伝説の魔性を迎え、「魔人の中の魔人」せつらの運命は? やがて現出する魔都消失の危機とは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゃお
12
著者あとがきにあるように、不思議な物語であったなと言うラスト。あっさりと一気に終わってしまうのはいつも通りと言えばそうですが、ひさしぶりにあの“せつら”が登場したり、メフィストはいいところなかったり、夜香は格好良かったり、意外にトンブの活躍場面が多いけれど、やっぱり人形娘は可愛かったりする中で、フランケンシュタイン、ドリアン・グライ、吸血鬼たちが入り乱れた“死”が覆う新宿の物語、面白かったです。2015/10/24
ユイ
4
フランケンシュタインとドリアン・グレイ。そして吸血鬼。トンブも珍しく活躍してましたが、やはり人形娘の方が目立ってました。2015/10/13
とし
3
魔界都市シリーズの最新巻(?)なのかな。図書館本なので最新なのかどうかよくわからない。今作で意外だったのは、ドクター・メフィストが出演してるのにも関わらずまったく活躍しなかったことか。「生」と「死」がくんずほぐれつするストーリーはいつにも増して右往左往してて、ラストはなんだかドタバタだったが、まあ、このシリーズは、せつらの「美」に尽きるということで(笑2016/09/22
トオル
2
安定のシリーズ。秋せんべい店はもはや勝手知ったる我が家みたいな雰囲気になってるw しかし今回はドリアン・グレイにヴィクター・フランケンシュタイン、そしてヴァンパイアの夜香が加わるという古典モンスター好きにはたまらない登場人物のせいで、いつもの<魔界都市>よりも摩訶不思議な空気が漂っていたように思う。さすがのせつらも影が薄くなっちゃう?と思いきや心配は無用でしたなw『私』でも『僕』でもない君は何者なのだ?あとがきにあったドラキュラ探偵や殺人狂な人造人間に手を焼く切り裂きジャックの話がメチャ面白そうだ…2015/11/11
hisoka 秘
2
作者も書いていたが不思議な物語になってしまった。メフィストは今回いいとこなし。せつらは僕でも私でもない第三のせつらが現れるし。ただ魔界都市新宿のシリーズの中ではせつらが出てくるのが一番好き。なんせ煎餅屋の主人が出てくると魔神も妖人も不死者も吸血鬼もなんか俗っぽくなるんだよね。スプラッタもエロぐろもあまり気にならない。菊地作品はソノラマ時代から愛読しているので、安心感半端ないし、とにかく今回も楽しみました2015/10/16