内容説明
忌まわしき地で散りゆく人生、翻弄される運命……。直下型の巨大地震により周囲と隔絶され妖魔の入り混じる〈魔界都市〉となった“新宿”。その地で人捜し屋を営む美麗の魔人・秋せつら。彼は春奈という娘に依頼され、父親を探し出し、連れ帰った。だがその父親は母と弟を殺害し行方不明に。ひとり残された春奈は気丈にも看護師としての仕事を続けていたが、せつらは彼女に何かを感じ……(「帰りて、後」)。儚(はかな)くも妖しき世界を描いた傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
織田秋葉
2
秋せつらには短編がよく合う。前作、愁鬼の章が正直イマイチでしっかりしてください!!と真剣に思っていたのですが、これは良かった! 復活祭…メフィストと夜香の掛け合いを楽しむ作品。 帰りて、のち…せつらを冷酷とみるかビジネスライクとみるか微妙。 月光演舞団…情景を眼に浮かべながら読む、このシリーズらしい作品。 セルロイドの涙…最後の一行がすべて。人形娘好きだ! 三本目の腕…これまた菊地さんらしい作品。 航路…ドッペルネタ。男にとっての理想の女性ってなんてステレオタイプ。それすら狙いなんだろうけど。2012/09/29
ぽぽりん
1
一話目が話見えなくて何かと思ったら別の本の後日談だったのね。「闇の恋歌」は文庫化されてないよね?されたら読もう。第三の人格が気になる。一体何と名乗ったんだろう。「僕」でも「私」でもないと…「俺」じゃないよなぁ。「我」とかww 今回は「私」がほとんど出なくて寂しい。私もメフィスト先生と同じ好みだわ(´艸`)どっちにしても美しいからいいけどね。2012/10/23
ooooo0000ooo
0
新宿を舞台にしたダークファンタジーもの。女神転生の元ネタのひとつの流れを継いでいるもので、雰囲気を楽しむつもりで手に入れた。 途中巻から読み始めた私も悪いのだが、場面転換で空白行が無かったりなど何て読みづらい文章なのだろうと思っていたが、一巻を通して読むと慣れてくるのが不思議だ。 悪い夢から醒めてそれを書き留めているような文章も慣れてくると癖になってくる。超人や妖魔が跋扈する世界観が好きな方なら是非お勧めしたい。2018/02/18