内容説明
絵筆一本で妖しの病室や街を生み出す狂絵師サガンに、キャンバスにモデルの魂を封じ込める放浪画家リラン。依頼人たちの奪われた魂を取り戻すため、“メフィスト病院・特別病棟”からサガンを連れ出し、リランに接触したのは秋せつらだった。だが、天才画家たちは共に彼の美貌に魅了される。恍惚としながらも妖美の人捜し屋を描くことを切望し、激突するふたつの才能。はたしてせつらはどちらのモデルを引き受けるのか。さらにサガンを追うメフィストやその師ファウストまでが現われ、芸術の頂上決戦が始まった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中
26
せつらの姿をモデルに絵を描く、それだけで現実世界が壊れていくというのはいつものパターンだけど、なんだかドクトルファウストの設定が昔より変わってきたのがするのは気のせいか?相変わらず、『美』は最強で最凶2012/09/20
しゃお
5
全体的にコミカルな印象ですが、絵にもかけない美しさは果たしてキャンバスに描く事ができるのか?! その辺は読者の予想通りといか期待通りの結末が待っているのですが、魔界医師メフィストとその師が見せる表情が面白くも切ない。2012/09/10
ryoku
4
せつらの肖像画を描こうとする画家二人。そこにメフィスト関係のあの人物までからんできて大事件に。コミカルな感じがして昔の魔界都市ブルースの感じとはずいぶん変わったな~。2012/09/04
おやぶん
3
魔界都市で人探しを職業とする秋せつらが主人公の物語。 今回の敵は天才的な絵師。 せつらを一目見て彼を絵に収めようと新宿で暗躍を開始する。 ここにメフィストの師匠や新たな絵師が現れて 様々な思惑で物語は進んでいきます。 神をも超える美貌を持つせつらを描ききることはできるのか? もう定番となったドクターメフィストとのやりとりが 久々に読めて懐かしくも楽しかった。 この物語からいきなり入ると背景が読みとれなくって 感情移入なんかはしにくいかも。 そろそろ彼の長編小説が読んでみたいと思いました。2014/03/23
ジーク
3
ファウストのお茶目っぷりにほんわかしながら読了。相変わらず、弟子想いですね。2012/10/06