内容説明
将軍家毒味役を務める矢背蔵人介は、愛刀を託した懇意の研ぎ師から内密の話をされる。天下の宝刀童子切安綱を預かるというのだ。その研ぎ師が何者かに殺害されてしまう。怒りに震える蔵人介。その背後には、前将軍の息子である藩の大名となった人物の影がちらつく。蔵人介は闇を照らす一条の光となれるのか。鬼役が邪智奸佞の輩を成敗する大好評シリーズ二十九弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
149
シリーズ29弾。一話目は降りかかる火の粉は払わねばならぬ鬼役。二話目は『情として忍び難し』とあるがその想いを以って成敗に至る鬼役がカッコイイ。こんな話が好みです。まだまだ続くでしょうが、そろそろラストも気にかかる我儘な読者です。(汗)2020/05/12
やま
99
鬼役29作目 2020.04発行。字の大きさは…中。 隣は何をする人ぞ、情として忍び難しの2話。 将軍の毒味役である御膳奉行・矢背蔵人介は、幕臣随一といわれる田宮流抜刀術の達人であり、密命により幕臣の不正を断つ暗殺役という裏の顔がある。 【読後】 今回2話からなっています。文章が長いせいか、物語の中に毒味役のシーンが多かったり、人情物語かと思うシーンがやたら多く書かれている。最後は、風景描写まで入っているが、そろそろ終わりに近づいているのかな……。→2020/07/17
とし
78
鬼役「大 名」29巻。少し流れが変わってきたのかな、鬼役の裏の顔が知られすぎているように見受けられるが?2020/08/23
ぶんぶん
16
【図書館】シリーズも29巻目、そろそろマンネリになって来たか。 やたらと毒見シーンが多い、ページを埋められなくなって来たのでは。 短編が二つ、ひとつは疑似家族物、蔵人介に纏わる悲劇を集めて家族を造るっていうのは、やり過ぎでは。 もうひとつは、明石の馬鹿大名の話。 「十三人の刺客」を思わせるが、なんとか将軍の母親の話に持って生き流れを変える。 しかし、エピソードが多くないか、いろいろ視点が変わり、テーマがボケる感じ。 ラストの取って付けたような風景描写は不要では。 そろそろ終わっても良いシリーズか。2020/07/16
ひさか
11
2020年4月光文社時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ29作目。隣は何をする人ぞ、情として忍び難し、の2編の連作短編。結局、蔵人介は、如心尼の密命を受けることにしたんだ。なるほど。繰り返しだな。2020/08/24