内容説明
将軍家毒味役を務める矢背蔵人介。いまやその剣の腕は幕臣一といわれるが、いまから二十五年ほど前、道場で鎬を削った友・小暮清志郎がいた。火盗改同心にまで出世し順風満帆だった小暮はなぜか突然、上士を斬って出奔した。はたして何があったのか。調べ始めた蔵人介の前に、とんでもない「悪事」が浮かび始める。人気爆発の鬼役シリーズ上、かつてない衝撃の第十二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
134
鬼役「切腹」12巻。今回の三編、橘右近の密命を受けての悪の暗殺ではなく、矢背蔵人介の友や存知おりの者の理不尽な死に義憤を感じ、仇を討つ物語、蔵人介の身近な人たちだけに、何故か哀しい結末なので面白いのだが、痛快、爽快感が無かったかな。2015/03/07
はつばあば
62
悪役が生半可ではない。これだけの悪役を懲らしめる蔵人介に溜飲が下がるが、お役目以外で鬼退治するのなら、なぜもう少し早く救いの手を差し伸べてくれていればと歯痒い。哀しくなるお話しばかりで、将軍家に禄を食む悪辣な者共に、霞が関の官僚(なんで官僚が出てくるのか(^^; )、悪を退治する水戸の御老公の印籠では物足りぬ。子連れ狼の拝一刀や蔵人介の刀の錆にしてやりたい・・と、老いて丸くなるのではなく棘を口に含む。この12巻も必読也(#^^#)・・このシリーズ長いからねぇ再読時に必要かと(^^;2017/02/04
えみ
47
「蛍」に切なさを、「小姓無念」に哀しさを、「供養の蕎麦」に滂沱の涙…。将軍家毒味役・矢背蔵人介が裏で幕臣の不正を断つ暗殺役を担う鬼役シリーズ第12弾。そこには虚しさしかない。いつにも増して悪事に復讐を…と思わずにはいられない3篇が収録されている。理不尽に踏み躙られた人生を本人に代わって矢背蔵人介が怨み晴らす!!悪が蔓延ることは公儀が赦しても正義を誓う蔵人介が赦さない。それでこそ暗殺御用を請け負う者の責任。ツラい思いばかりしている彼が怒りを爆発、心で涙を流しながら大切な人の誇りを守り、願いを叶えるため斬る!2024/03/23
ベルるるる
26
辛い話ばかりだった。蔵人介が悪人を成敗するけど、救いのない悲しみが漂うばかり。蕎麦を啜りながら涙を流す鐡太郎の思いやり。本当に優しくていい息子。でも過酷で非情な鬼役の跡取りには向いていないんだろう。2017/02/17
み
24
バッサバッサ(>_<)このシリーズにしては珍しく、1作目の2人が生き残って良かったぁ。どんだけ悪い奴らが居るんだか^^;2017/04/13