内容説明
江戸城の不浄門内で、勘定奉行が腹を切った。将軍家毒味役の矢背蔵人介は、小姓組番頭・橘右近から呼び出され、かつて道場で鎬を削った友がその切腹に関わり、吉原からの冥加金強奪の疑いをも掛けられていることを知らされる。友を追う蔵人介の前に明らかになった哀しき事実――。200万部突破の超人気時代シリーズ、著者が大幅加筆修正した新装版、待望の第五巻。(『鬼役 矢背蔵人介 秋色の風』改題)
感想・レビュー
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えみ
46
なんと今度は友が吉原の冥加金強奪犯一味?蔵人介…絶対的に周囲に恵まれない不幸すぎる人生じゃないか。将軍家毒味役・矢背蔵人介の裏の顔は幕府の不正を断つ暗殺役。時代は違えど上司のむちゃぶりに振りまわされる彼の苦労。他人事だと思えず、つい応援してしまう。軽い気持ちで読み始めた鬼役シリーズも5巻に突入すると、一人一人の登場人物に愛着が湧いてくる。めっぽう強い養母と娘、真面目な義弟、矢背家の用人・串部、そして何気に気に入っている小頭組番頭・橘右近や公人朝夕人・土田。彼らを巻き込み巻き込まれながら悪党を斬る。痛快!2024/02/13