内容説明
将軍家毒味役矢背蔵人介は、不忍池の畔で偶然出会った牧田家の妻佐保が、将軍家慶の十男の「御乳持」になったと聞く。しかし、佐保は屍骸で家に戻ってきた。駕籠の下敷きになったという不審な説明に、従者串部とともに背後を調べ始めたところ、己が利得のために弱き者を使い棄てる非道の輩が浮かび上がる――。鬼役が声なき者の恨みを晴らす大好評シリーズ三十弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
149
遂に30巻目、そろそろ大団円か?と思いきやまだまだ続きそう・・ですね。でも水野に鳥居はそろそろ限界な感じがするのは私だけか?遠山の言動もしっくり来ないし、如心尼との関係も未だに心許ない。そんな中、今回3話目で卯三郎の恋模様が微笑ましかったのが救い。このシリーズはどんな結末が用意されているのだろう。もうそっちが気になりだしてしまう。いや・・次も読みますけどね。2020/10/06
やま
87
鬼役30作目 2020.08発行。字の大きさは…中。景清、鬼追い鍾馗、抜け弁天の3話。将軍の毒味役である御膳奉行・矢背蔵人介は、幕臣随一といわれる田宮流抜刀術の達人であり、密命により幕臣の不正を断つ暗殺役という裏の顔があります。老中水野忠邦を暗殺すべく刺客が放たれる。矢背蔵人介の養子・卯三郎は、想いを寄せる旗本・門脇杢之進の娘・香保里が、この暗殺に絡んで誘拐された。卯三郎は、香保里を助けるべく動き…。事件解決後に、卯三郎と香保里は、抜け弁天で茅の輪を潜り…。卯三郎と香保里の仲が進展するか、気にかかります。2020/11/23
とし
86
鬼役「暗殺」30巻。う~密命の出所が明確では無くなってきたような、如心尼、水野忠邦、遠山の金さんも中途半端なような気が?次巻卯三郎と香保里の距離が縮まりますように。2021/04/18
ぶんぶん
11
【図書館】相変わらずのマンネリです。 短編が3篇、その都度、蔵人介の生い立ち、矢背の謂れなど繰り返し語られる。 短編を止めて長編一本に絞ってはどうか。 相変わらず行事などの風景描写が、少々煩わしくなって来た。 流れで密命の必要さが前面に出ても良いと思う。 「如心尼」の威厳が感じられない、密命を下すのだからもっと格式ばって欲しい。 そろそろ、この物語と離れても良いのではと思う。 少し最初の思惑とズレてしまった。思えば「橘右近」が生きていた頃が、ピークだったのかも。2020/10/02
ひさか
9
2020年8月光文社時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ30作目。3つの連作短編とも、蔵人介が、正義の暗殺剣で悪を成敗するシンプルストーリー。物足りないような、いや、やはりこれで良いような、どちらつかずの気分です。2020/10/01