内容説明
将軍の毒味役「鬼役」を務める矢背蔵人介。将軍を誹謗する落首を書いたとして、知己の奥医師が切腹を申し付けられた。冤罪を晴らさんと動く蔵人介の前に立ちはだかったのは「甲賀五人之者」と呼ばれる手練たち。その一人を斬ったことで蔵人介は謎の勢力を敵に回すこととなった。想像を絶する強大な敵を相手に、蔵人介の運命やいかに。次作へつながる胸騒ぎの第十九弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
103
鬼役「予兆」19巻。御小姓組番頭橘右近の蔵人介に対する暗殺命令が露骨になってきた感じがする、妖怪と言われる鳥居耀蔵、伊賀五人之者の手練の出現、首魁は誰...いよいよ最終章へと進む予感次巻を期待です。2017/01/13
KAZOO
93
将軍のひどい行いを指摘した落首を書いたということで、主人公の家族に関係の深い奥医師が切腹を命ぜられます。そこに「甲賀五人之者」という今までの最強の敵が現われます。話はそこでは終わらずに、かなりの裏がありそうな感じで、時間に続いていくような感じです。やはり敵がかなり強いとじっくりと読ませてくれる気がします。2024/08/13
いつでも母さん
82
今作は終始骨太な感じの読了だった。妖怪鳥居の影が随分と見え隠れして来た感大だ。矢背家総出の救出劇だったのに・・嗚呼、柳舜よ、おらくよ広州まで続く海に眠れ!そろそろ大団円に向けての序章が始まったのかと思うくらい影働きが多くなったと思うのは私だけではないはず。この胸騒ぎをどうしてくれよう。今回、刀の薀蓄よりも家紋に意識が行った私。そうだね、提灯や駕籠にある家紋で後を追うのも手だったね。我が家の家紋は・・同じように見えても違うのが沢山で・・(汗)2016/09/18
えみ
49
大きな大きな不穏な渦に巻き込まれていく。表稼業では将軍家毒味役とし自らの命を懸けて将軍の命を守る。そして裏稼業では幕臣の不正を断つ暗殺役として自らの命を担保に世に蔓延る悪を根こそぎ摘み取り正義を全うする。そんな鬼役・矢背蔵人介の前に現れたのは誰に繋がっているのか…強力で最強で絶大な敵「甲賀五人之者」。一筋縄ではいかない複雑に絡み合った思惑と目的、そしてなにより蔵人介が狙われる理由。今後に繋がる展開に早く続きを知りたくなる。今回蔵人介の右腕、矢背家の用心・串部六郎太が途轍もなく強靭であることを改めて知る。2024/05/14
Kira
17
図書館本。シリーズ中で最強の敵かもと思わせる「甲賀五人之者」が登場する。蔵人介がいくら剣術に優れていようとも、鉄砲と鉛弾には勝てないなと実感した。忍び寄る時代のうねりも鬼役を巻き込もうとしている。 2023/04/27