内容説明
将軍の毒味役を務める矢背蔵人介の元にかつて矢背家に居候していた望月宗次郎が帰ってきた。窮地に陥った吉原の花魁を助けに戻ったと告げる宗次郎だったが、その花魁は消息を絶っていた。宗次郎とともに行方を追う蔵人介の前に、宗次郎の出生と実の母にまつわるとんでもない秘密が明らかになった――。真の親子とは何かを問う、超人気シリーズ、感涙の第十六弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
114
鬼役「一命」16巻。鬼役の裏仕事にかかわりなく、矢背蔵人介を悩ます事ばかりですかね、宗次郎と卯三郎の事も気になりますね。2015/12/15
いつでも母さん
71
自分の中で時代ものシリーズ追っかけ本命の第十六弾!今回はどの話も親子関係の話でちょっと切なく、モヤモヤして、息苦しかった。子守侍では直太朗の子供らしい健気さに、鷹の羽では卯三郎の決意と静山の薀蓄有る言葉に、そして藻塩草では宗次郎の母の思いに。感涙とまではいかない私だったが、何故か鬼役・蔵人介のこの先が心配で堪らない!突っ込みたいところは多々有るのだが(その時々で、蔵人介や志乃、公人朝夕人に同化してる私だから・・汗)段々と苦しくなっているのが正直なところです。その苦しさの正体を知る為にも続きを待ちたい。2015/09/15
はつばあば
63
鬼役家の居候も跡継ぎになるべく修行に励む・・もまだまだ未熟。それなのに初代居候の宗次郎が帰ってきた。遺伝子のもつ「必殺女心をモノにする」に磨きがかかったのか志乃さんも幸恵さんも甘いこと。そう言やぁ居候同士がかち合う事がないなぁ・・もし二人が出会っていたら蔵人介と串部の身がもたんだろう(^^;。2017/02/05
えみ
53
例えどんな形であろうとも、一度でも関わりを持ち、心を交わした相手ならば複雑な心境…迷いが生じたとしても積極的に保護してしまう。そんな性を頼もしいと感じた一冊。将軍家毒味役を務める「鬼役」であり、世のため人のため、幕府のために幕臣の不正を断つ暗殺役をも務めてきた「矢背蔵人介」。表と裏の顔を巧みに操りながらシリーズ第16作目となった今回も凶悪な敵にスラリと立ち向う。矢背家の元居候・宗次郎と現在進行形で居候中の卯三郎。どちらも人から頼まれた者だが、彼らを取り巻く境遇には因縁めいたものを感じずにはいられなかった。2024/04/18
ベルるるる
27
蔵人介が、本人を前にして松浦静山の「剣談」の一節を口に出す。 「曰く、勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」 2017/03/23