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内容説明
表題作に加え「母の手毬歌」 「こども風土記」 「木綿以前の事」 など柳田の代表作として名前の挙がる著名な6作品を一冊に収録! 柳田が終生持ち続けた幼いころの直感やみずみずしい感性を随所で感じられる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
40
子供の世界や庭先に見られる小さな自然等を題材に、そこから思索を広げていく論考が収録されている。「小さき者の声」であれば「ののさま」「まんまいさま」の言葉を読む度、あの遠い夕暮れに見上げた満月を思い出すし、「こども風土記」であればそこに収録されている数々の遊びから子供の頃の数々の遊戯を思い出させられる。幼児の言葉も遊戯も手毬唄も、収録されている全てがノスタルジアに直接訴えかけてくるように感じた。その他も庭先の草花や小鳥の鳴き声等、全て小さな事から始められており、その意味で本書全てが「小さき者の声」であった。2013/04/04
シュエパイ
8
表紙がとっても綺麗なので読んでみようと思い立ちました。子供たちの文化風土記、って感じなのかな?きっと、もう失われたり、受け継がれてたり、現代風に姿を変えたりしてる遊びたちなんだろうな。ノノサマ、だけはなんか聞いたことあるな?小1のころ、保育園児だった私以外の子は全員、2つの幼稚園のどっちかの所属で。片方の勢力の子が、「ノノサマは口では何にも言わないけれど♪」って歌ってたっけ。懐かしいなぁ、よく余所者扱いで苛められては殴り返してたんだっけ♪2013/11/11
寝落ち6段
3
日本の原型とは何か、それを子供の遊びから考察した一冊。地域によって風土は全く違うのに、遠く離れた土地で似たような遊びや言葉を使っていることがある。現在ではもう見られない遊び・言葉は貴重だ。あれこれと世界を知らない子供は純粋にその地域で育ち、意識しないままその世界のみを生きる。それ故に純粋にその地域の特性を持ち合わせている。そう思うと自分の子供のころはどうだったかなあと耽ってしまう。2013/06/09
Schuhschnabel
2
ままごと遊びは意外と奥が深いんだなあという陳腐な感想はさておき、全体を通して何をしているのかがわからない。『青年と学問』にあるように、世の中の役に立つことを目指すのが民俗学の存在理由だと思っているのだが、「木綿以前の事」を除いてはその道筋がイメージできなかった。一方、純粋に資料として残そうとしたのなら柳田の解釈が含まれすぎているように感じる。あと、歌はメロディーがわからないので、歌詞だけ書かれてもどう歌われたかイメージできない。2021/03/16
やいっち
2
まず、題名に惹かれた。誰も子供のままじゃ居られない。大人にならないと人の迷惑になるだけ。大人になる過程で得るもの、失うものがある。ずっと子供の心を保ちつつ、生きていくって、想像以上に難しい。芸術家はまさにそうした存在。柳田も、その一人だったんだろう。2015/10/13