角川ソフィア文庫<br> 毎日の言葉

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角川ソフィア文庫
毎日の言葉

  • ISBN:9784044083076

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内容説明

普段遣いの言葉の成り立ちや変遷を、豊富な知識と多くの方言を引き合いに出しながら語る。「なんにでも『お』を付ける風習」「二言目にはスミマセンという」など、今でも興味深く役立つ内容。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マッピー

14
言葉の語源。結構詳しいほうじゃないかと自負していた。けれども、一般的に言われる語源のさらに先、そこから説明されると、もういちいち新鮮でたまらない。著者によると、言葉は変化して当たり前であり、大切なのは美しい方向に変化させていこうとするひとりひとりの意志だ、と。けれど、この本が書かれてから何十年もたった今、日本語はもっと乱れてきている、と言われている。けれど、自分が親しんできたこと以外はすべて「乱れてきている」と判断しちゃうんだろうなあ。地方の方言から語源を探るのは、さすが柳田国男と思うことしきり。2019/12/17

イプシロン

13
感動した! 再読したい。装丁もかわゆす♪ 声にしたとき心持ちが良い言葉を使ってゆきたい、そんな気持ちになった。書き言葉のない時代があった。そうした時代、人々は口語で心を伝え残してくれた。だが文字の発明によって言霊が歪められ、汚されてきた。いやそうでなく、発音しずらくて変わってしまった言葉もあるが、そこには人々の意志があった。大事なのは善い意味で変わり、現代も使われているもの、その中から「毎日の言葉」を使っていこうという愛情かしら。柳田さんの心の声はそう言っているのだろう。かわゆすとか言ってる場合か?(笑)2014/09/13

スローリーダー

10
日常無意識に使っている言葉のルーツ、それは文字が使われる遥か昔の語り部の時代まで遡る。言霊が現実味を帯びるようなめくるめく古代だ。柳田でさえ地方の話し言葉を取材し、その残滓を捉えてルーツを想像するしかなかった。我々が何気なく話している言葉は時代と共に変化を繰り返して来た。でもそれを源流に向かって執拗に探っていくと語り部の時代の言霊らしきものに限りなく近づいていく。普段から口にする言葉は大切にしていきたい。2018/09/07

Tomoko.H

8
言葉って、はじめはそうでもなかったのに使い続けているうちに乱暴な感じになってしまうから新しく言い方ができる…そうなんだ。それで、敬語もくどくどしくなってしまい、それが普通になってしまう。方言に残る言葉からその元の心持を解釈して、変化の過程を説明しているのは興味深い。元の意味を知っていれば、何気ない挨拶も心に響くんだね。「どうもありがとう」「とても寒い」という言い方が変だったとは知らなかった。「ぼく」という一人称は残っているし、現代の言葉は先生にどう響くんだろうか。2015/05/02

roughfractus02

7
戦中戦後に女性に向けて書かれた本書は、変転して止まない性質を持つ言葉について、戦争を経て変容を遂げつつある日本語に対する思いも込めた著者の言葉も収録されている。例えば「ありがとう」は漢語「有難し」から来た新しい言葉であり、神への感謝という西洋語同様の意味を持つ。が、本書は中世までは「カタジケノウゴザル」が多く、さらに各地方ではそれ以外の感謝の言葉(カンブン、ウタテイ、オトマシイ等)が多々残っていると記す。日本語の乱れに対する著者の憂いにもかかわらず、言葉は多様であり自ら変容する柔軟性を持つ、と本書は示す。2025/02/11

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