角川ソフィア文庫<br> 雪国の春 柳田国男が歩いた東北

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角川ソフィア文庫
雪国の春 柳田国男が歩いた東北

  • 著者名:柳田国男【著者】
  • 価格 ¥616(本体¥560)
  • KADOKAWA(2014/11発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784044083021

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内容説明

名作『遠野物語』を刊行した十年後、柳田国男は二ヶ月をかけて東北を訪ね歩いた。その際の旅行記「豆手帖から」をはじめ、「雪国の春」、「東北文学の研究」など、日本民俗学の視点から深く考察した東北文化論。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

30
民俗学創始者の東北旅行記。雑誌や新聞に発表されたものを中心としてまとめられているだけあり、民俗学というより随筆のように読めた。ただその中にも菅江真澄の事や椿の事、樺の皮を紙の代わりに使う事、失業者問題や民間霊能者の事等、後年の民俗学に繋がるような所にしっかりと注目している所は流石である。他にも「清光館哀史」や「子供の目」等生きているうちにどことなく擦れ違うような悲しい話が心に残る。読みながら以前旅した男鹿半島や遠野、下北の山河や風光が目の前に甦るようであった。2013/02/13

Aminadab

23
『海南小記』の次に読んだが、『遠野物語』に続けて読むべきはこちらであった。一方で草木や雉の声など自然に対する鋭敏な感覚、他方で明治の近代化を経てもなお不時の苦難に遭いがちな常民へのシンパシーが横溢する紀行と、「東北文学の研究」などの考証がバランス良く柳田入門にはベストか。表題作は東北総論として申し分ないし、前者では「豆手帳から」「清光館」が哀切、後者ではなぜ常陸坊海尊に生存説があるかなど口頭伝承への洞察が鋭い(「生き証人」がいないと口頭での歴史は信憑性を欠くため)。ただ、もう少し親切に書いてくれないかな。2023/10/02

roughfractus02

8
東北各地を巡る聞き取り調査を紀行文体で記しつつ、「東北学」の構想を立ち上げるに至る本書の各エッセイでは、現地の人々を観察する側に立つ自身が他者として関与する点を著者が強く意識していたことが実感できる。「平地人」中心の国家体制が東北の人々の暮らしを軽視することに憤る著者は、人々の身に寄り添う姿勢と「平地人」ゆえに調査し観察する姿勢との狭間で試行錯誤を続ける。夏に訪れた東北の地で雪に閉ざされた冬を思いやる著者は、現地の言葉を生かした東北学を構想するが、標準語化した日本語と西洋的な学の構想では無理があると記す。2025/02/03

ゆきこ

8
大正中期から昭和初期の主に東北地方の民俗について書かれた一冊。表題作『雪国の春』と『東北文学の研究』が特に心に残りました。私も雪国の豪雪地帯で生まれ育った身なので、雪国の冬の閉塞感とじっと春を待つ雰囲気がなんとも懐かしくいとおしく感じられました。同じ日本といえども北と南では生活文化が大きく異なることを再認識。そして、小正月行事などの年中行事では北と南で多くの共通性が見られるという点がとても興味深いです。2016/03/28

尾白

4
覚書 西ヨーロッパ諸国の古典研究などは、人の考えを自由にするのが目的だと聞いているが、日本ばかりはこれに反して、再び捕らわれに行くために、昔の事を穿鑿しているような姿がある。2023/02/22

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