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内容説明
自らを神隠しに遭いやすい気質と定義したロマン主義者であり、一方で、社会を冷徹に見通し、たとえば普通選挙の実現を目指すなど変革者でもあった柳田。30もの論考から、その双極性を見通すアンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
52
柳田の膨大な著作の中から神隠しや隠れ里に関する論考を選んだアンソロジー。ただこのテーマと編者の意図するロマンスと社会学の二面性という双方を選んでいるせいか、全体的にまとまりに欠けているような印象を受けた。ただそれ故か、かえってあまり目にする機会のない話が多数含まれているのはありがたい。今まであまりにも有名だが読む機会のなかった「故郷七十年」中の布川の絵馬の話や神戸のおばさん、青空に星を見た話や「甲賀三郎の話」における説話と語りの伝播、耳たぶに穴のある話等、小さい論考まで隅々まで興味深い論考ばかりであった。2014/12/04
イトノコ
23
柳田國男の文章の中から、神隠しと隠れ里に関するものを集めた作品集。/随筆からいかにも民俗学なものまで、読む側も姿勢を定め難い本だった。第一部の神隠しについては少々退屈。しかし神隠しの第一部に小児生存権についての文章を入れると言うことは、やはり神隠しは不慮の死亡(事故・事件含む)や口減らし、人身売買を示す隠語だったのか?隠れ里についての第二部、甲賀三郎の伝承が東日本と近畿で異なることを、地域に占める宗教のウェイトに絡めた考察は興味深かった。伝説の系統と分類も、各地の伝説はわずか十数種類に分類できると言う…。2021/09/16
佐倉
18
柳田国男による神隠しや隠れ里の論考集…であると同時に『怪談前後』『偽史としての民俗学』など大塚英志の柳田国男論の元テクスト集とも言えるような構成になっている。編者の意図は置いておいて自分の興味の方向で言えば『山荘太夫考』が一番面白かった。厨子王丸ではなく由良長者でもなく、なぜさんせう太夫がタイトルとなるのか。土佐に”山荘太夫”と呼ばれる職分があり、太夫は陰陽道系民間信仰者を表す語でありさんしょうは算所の字の変化であり元は物語の語り手を表す語であったものが後にタイトル化したのではないか…という。2026/02/02
寝落ち6段
15
新しい時代にしていくためには、今まで語られてきたことの本質を見定めなければならない。荒唐無稽な、そんなわけのわからないことがあるわけがないという民間伝承がなぜ語られているのか。それも、神隠しや隠れ里といった異界は、日本各地で語られているのはどうしてだろう。おそらく何か不可解なことがあったのだろうが、それを説明する装置として異界が使われるのである。でも、異界は語る人々にとっては憧れだったのかもしれない。そんな憧れを紐解こうとすることが、憧れの国を目指すために必要だったのかもしれない。2021/06/23
roughfractus02
9
社会の承認以前の身分の不安定さゆえ子供は神を呼び込む依坐(よりまし)や親子心中の道連れとなったと考える著者は、子供を社会の必要で成員から外す際に神隠し話となったと推測する(自身の幼時の神隠し体験も語られる)。隠れ里に関しては諏訪大社縁起と浄瑠璃での甲賀三郎の大蛇退治と地下放浪譚の伝承の違いに注目する。伝承過程とそのバイアスに注目する本書は、佐々木喜善が語る遠野の伝承を記録する柳田、喜善を紹介し柳田をモデルに小説を書く水野葉舟、柳田の話を小説化する田山花袋、柳田の本に触発されて書く折口信夫らの短編も収める。2025/02/20
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