内容説明
構造物だけではいのちを守れない。最後の砦の防潮堤が破壊され、激流が町や人々を襲った。従来の研究を根本から問い直す巨大津波の実態。沿岸防災に必要なものは何か。十分な科学的根拠と地域の視点から将来に備える。全国学校図書館協議会選定図書
序 章 想定を超えた巨大津波
はじめに
1 津波の高さと被害
2 過去の津波との違い
3 調査の概要
第1章 岩手県のリアス式三陸海岸
はじめに
1 宮古市田老地区
2 宮古市
3 宮古市姉吉地区
4 上閉伊郡大槌町
5 釜石市
6 大船渡市
第2章 宮城県のリアス式海岸
はじめに
1 気仙沼市
2 気仙沼市本吉町中島地区
3 本吉郡南三陸町志津川地区
4 牡鹿郡女川町
第3章 宮城県、福島県の低平地
はじめに
1 仙台市若林区
2 名取市
3 亘理郡亘理町
4 相馬市
第4章 茨城県と千葉県
はじめに
1 茨城県東茨城郡大洗町
2 茨城県ひたちなか市平磯町
3 茨城県神栖市,鹿嶋市(鹿島港周辺)
4 千葉県旭市(飯岡漁港周辺)
第5章 今後の減災対策の展開―構造物だけでは人命を守ることはできない
1 早稲田大学における複合災害研究の展開
2 津波防護レベルと津波減災レベル
3 津波想定の見直し
4 津波想定の限界
5 避難の方法と避難場所
目次
序章 想定を超えた巨大津波
第1章 岩手県のリアス式三陸海岸
第2章 宮城県のリアス式海岸
第3章 宮城県、福島県の低平地
第4章 茨城県と千葉県
第5章 今後の減災対策の展開―構造物だけでは人命を守ることはできない
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
317
3.11のあの日、東北と東日本の一帯で起こった津波を、早稲田大学のチームが中心になって検証した記録。データが中心だが、そこから読み取れることは少なくない。いずれのデータが示すものも、過去にこれほど高くまで、また広範囲にわたっての津波は誰も経験したことがなかったということだ。津波は時には防潮堤を破壊しながら、あるいはその上を越えて港や人家に押し寄せていった。津波避難ビルの屋上にまでも。最後の章では、今後の津波対策への提言がなされているが、これほどの津波を想定するならば、未曽有の大事業になりそうだ。2018/02/24
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