内容説明
かつてない放射能汚染を前に、この国の政府・国会は私たち市民のいのちをどのように守ろうとしているのか。日弁連原子力PTメンバー弁護士が、法制度の現状と問題点を明らかにする。全国学校図書館協議会選定図書
序 放出された放射能
1 放出された放射能の量
2 放出された放射能量と汚染レベルの具体的イメージ
3 今回の事故は最悪だったのか
第I部 なぜ放射能はわかりにくいのか
第1章 放射能とは
1 放射能とは
2 放射性物質量と放射線強度
第2章 放射能が人体に及ぼす影響の不確実性
1 急性症状と長期的影響,被曝の状況
2 非特異疾患と因果関係
3 しきい値の存否と低線量の影響
4 自然放射能の存在
5 放射線の違いと核種の違い
6 外部被曝と内部被曝
7 有益な放射線利用との関係
8 十分な実証データがないこと――過去のデータの歴史的意味
9 政策的判断の余地とバイアス
第II部 拡大する放射能汚染と法規制の現状
第3章 わが国における放射能規制の基本的事情
1 行政規制の社会的な意義と放射能規制の問題
2 放射能に関する環境基準の不存在と被曝限度
第4章 放射能の空間線量に関する規制
1 事故後の原発周辺地域における規制
2 モニタリングポスト値の問題点
3 東京都内における汚染の実情
第5章 土壌汚染および放射性廃棄物に関する規制
1 土壌や放射性廃棄物に関する規定の不存在
2 深刻化する土壌汚染の実情
3 首都東京圏の汚染の実態
4 放射性物質問題で破綻寸前の首都圏の生活インフラと対策法
第6章 食品汚染に関する規制
1 食品汚染に関する基準
2 食品汚染をめぐる状況
3 牛肉汚染問題が教えた食品安全確保の問題点
補 論 過去の放射能汚染との比較
1 過去の大気圏内核実験による汚染との比較
2 大気圏内核実験による食品汚染
3 ビキニ水爆実験と水爆マグロ
最後に――そしてこれから
目次
第1部 なぜ放射能はわかりにくいのか(放射能とは 放射能が人体に及ぼす影響の不確実性)
第2部 拡大する放射能汚染と法規制の現状(わが国における放射能規制の基本的事情 放射能の空間線量に関する規制 土壌汚染および放射性廃棄物に関する規制 食品汚染に関する規制 過去の放射能汚染との比較)