内容説明
杉原爽香、24歳の春。恋人の明男が殺人を犯した衝撃を乗り越え、高齢者向けケア付きマンションで働く爽香。担当になった元大女優・栗崎英子の子どもたちが財産目当てに計画した偽装誘拐事件に巻き込まれたうえに、爽香に共犯の疑いが! 一方、勾留中の明男に判決の時が近づいていた……。登場人物が読者とともに年齢を重ねる画期的シリーズ第10弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
71
爽香24歳。なんだか元気のない年だなあ。前作明男の事件から、爽香は、明男とよりを戻して待つ身となった。明男と付き合うと爽香らしさが失せていく気がするのは私だけか?今回は、二通りの人間を対照的に並べて展開していく。お金が人の心を貧しくさせる。大人びた心を持ってしまった智子はいったい、この事件のあとどうしたのだろう。事件は解決しているが、それぞれの心の問題がとても気になった。こうして一人の主人公の成長を追うと、人の人生の波を感じるなぁ。赤川さんの描く作品が興味深いのはそういう生きている感を感じられるからかな。2014/10/29
takaC
61
自分が以前に書いた「濡れ場」とやらが何だったのかを確認するために数年ぶりに再読した。栗崎英子初登場回で「爽香24歳の春」ということは20年近く前の話か。なんだか懐かしかった。で、結局「濡れ場」は特定できなかった。2016/03/29
セウテス
60
〔再読〕シリーズ第10弾。1997年爽香24歳の春、明男の殺人事件の裁判を待ちながら、爽香は高齢者向けのケア付きマンションで働く事に。担当になった元大女優の子供たちが計画した、偽装誘拐に巻き込まれてしまう。会社の田端から携帯電話を持たされるなど、やっと携帯電話の時代に入りました。家にテレビも電話も無かった時代から過ごしている私にとって、時の流れを強く感じるシリーズでも在ります。(決して我が家だけではない) 河村夫婦には長男が産まれ、善き未来も爽香の直ぐ其処に見えているのに、何故この娘はと思って仕舞います。2015/10/24
siro
46
続けて10作目。明男を待つと決めた爽香。きっと今回のように明男が罪を償った後でも世間からは酷い扱いをされるんだろうと思うと…爽香はすでに覚悟を決めているようだけども、過去のダメ男代表のような明男を知っている読者としてはなんだかなぁ~と思う。野崎さんと一緒になったほうが幸せになれそうだけどなぁ~全く触れられていない野崎さん、もう出ないのかな?2015/10/16
takaC
31
誰も殺されないのは珍しいね。そして、このシリーズ、必ず濡れ場があるんだね。2012/07/12