内容説明
貧しい農家の六番目に生まれた紋次郎は、母親の手で間引きされる運命だった。姉のお光の機転で救われた幼い命は、しかし孤独と虚無を育んでいった。……人を頼るから裏切られる。頼られてしまえば裏切ることもある。ならばいっそ何事にも関わりを持たず独りのほうがいい。くわえた楊枝が木枯しに似た音を出す。木枯し紋次郎の孤独な旅は、まだ始まったばかりだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ジョン
11
無宿渡世人の木枯らし紋次郎の旅は続く。他人とのかかわりを持つことを嫌う紋次郎が遭遇する五つの事件が描かれている。ニヒルなハードボイルド模様は、マカロニウエスタンを彷彿とさせる。平易な言葉でつむがれる人間模様は、その文章とは裏腹に退廃的で破滅的なものばかり。紋次郎がかかわりを持つ前から、すでに暗い未来が決まっているところが、物語に味わい深さと虚無感を伴った苦みを利かせている。面白い。ドラマ化されて人気を博したのもうなずける傑作だ。2018/09/06
ジョン
9
ただの時代劇や股旅物ではなく、話の根底に手堅いミステリー要素が仕掛けられているから何度も楽しめる。こういう無頼な男に憧れていたのはいつのことか。面白かった。2018/09/22
ジョン
9
この虚無感、癖になる。幼いころ、なぜ紋次郎に惹かれたか、すこしわかった気がした。2018/09/13
まっつー(たまさか)
4
本作で、真に「人間紋次郎」を見たように思う。相変わらず読み味がノワールのそれで、しかもそのノワールチックな読み味と終盤のひとひねりふたひねりが有機的に調和している。非常に面白い。2026/04/19
桂 渓位
4
あっしには関わりがねぇと、呟きつつも結局、災いに関わってしまう紋次郎。 ドラマで人気を博したのが、よく分かる面白さでした。2018/08/15




