内容説明
うっそうとした木々、蝉の声に包まれた山道に突如降りつける夏の驟雨……。木曽路を進む木枯し紋次郎はそんな時、幼馴染みの長兵衛とお鶴に出会った。久しぶりの三人が巻き込まれる一大事!? 身を引き裂かれるような状況に立たされる紋次郎。ついにその長脇差は、情容赦なく光った! 全編みなぎる斬新な趣向と密度濃いドラマ。人の魂を震わす、感動の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桂 渓位
5
人との関わりを避ける渡世人・紋次郎さんですが、子供が入ると勝手が違う、優しさが出てきちゃいます✨ 婆さんには、容赦ないですが(笑)2019/10/06
mnagami
5
ミステリー度はさらに薄まった感じ。だいたいパターンは読めてきたけど、それでも退屈しない魅力はある2017/09/13
辺野錠
4
話のテンプレートは大体決まっているのに変わった技を使う殺し屋との戦い、時間が制限された状況、シージャックに遭遇と話の幅が広くやっぱり笹沢先生は凄いなあと言う感想。読むとその意味が分かる数字を必ず入れたタイトルも渋くてかっこいい。2018/10/02
文句有蔵
1
この巻の紋次郎はやたら親切でお節介だな、と思いつつ読了したが、そういや天下の名台詞「あっしには関わりのねぇことでござんす」を一言も言ってないような(笑)冷酷で非情でニヒルでクールなつもりの渡世人が、あちこちで「あっしには……」と口走りながら、情に引き摺られての人助けの旅、だったのが、それが最早喜劇でしかないと気づいたのか開き直ったのか、いつの間にやら義理人情に厚い、親切で面倒見のいい渡世人の世直し道中記、に変質してしまっている(笑)非情になりきれない男……の物語を、書きたかったんでしょうにねぇ(^-^;)2014/10/23