内容説明
内風呂のない当時、湯屋通いはなによりの息抜き。ところが、その湯屋で同心が殺された。土用の桃の湯でにぎわう大黒湯。八丁堀の七不思議の一つ、“女湯の刀掛”が生んだ悲劇を描く表題作ほか、一家中毒事件と謎の言葉を解く「ひゆたらり」、吸わない煙草を東吾が買った訳は? 看板娘をめぐる騒動「煙草屋小町」、風邪に効くと大人気の神聖水が事件を招く「びいどろ正月」など全8篇。晴れて夫婦になったるいと東吾の仲も睦まじい、江戸人情捕物帳シリーズ第16作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さら
36
東吾とるいは幸せそうで何より(笑)。事件は大なり小なり起きていますが、表題作『八丁堀の湯屋』が哀れでした。2017/01/27
真理そら
21
表題作は後味が悪い話だった。湯屋で死んだ松田庄三郎という役人がどんな人だったのかが説明されていないので、なんだか釈然としない気分で読み終えた。2019/01/09
bookshelf_yt07
9
【あらすじ】るいと祝言を上げ、講武所の教授方と軍艦訓練所勤務となった東吾だが、かつて師範代をしていた狸穴の方月館から岡っ引きの仙五郎がやってくる。かちての冷飯食いの次男時代と変わらず、幼馴染みの同心・畝源三郎と捕物をする。【感想】結婚をしても、東吾は幼馴染みの同心・源さんと捕物をすることは変わらない。まあ、るいとの関係を公に出来なかった前とは違い、堂々としているが。今巻で驚くのは表題作。この事件の衝動性にとにかく驚く。2021/11/17
あかつや
4
前回ようやく正式に夫婦になった東吾とるいだけど、なんかあんまり変わんないな。狸穴に通わなくなってあちら絡みの事件が少なくなっただけだな。もう少し新婚らしいイチャイチャしたとこ見せてくれてもいいんだけど、思えばずっとイチャイチャし続けてたわけで、新婚だからって特別付け加えることもないのか。今回好きな話は「煙草屋小町」。結婚しても変わらないのは東吾自身が変わらないからだな。おるいさん一筋ではあっても他の女を見ないってわけじゃない。これは同性としてよくわかる。あと表題作もよかった、というか苦え話で印象深かった。2022/12/20
gosuken
4
表題作もですが、全般的にやりきれない結末の印象。2013/10/23