岩波講座 世界歴史 第4巻 南アジアと東南アジア ~15世紀

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岩波講座 世界歴史 第4巻 南アジアと東南アジア ~15世紀

  • ISBN:9784000114141

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内容説明

山脈によって内陸アジアと隔てられ,陸では東アジア及び西アジアと,海洋では西方とつながる南アジア世界と東南アジア世界.初期国家の形成と諸帝国の盛衰,サンスクリット語・文化の伝播,インド化とマンダラ政体,ヴァルナ(カースト)制などを軸に,両者が緊密に交流しつつ独自の地域社会を形成する過程を包括的に提示する.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

地図
展望|Perspective
南アジア世界の形成と発展……古井龍介
はじめに
一,原史から歴史へ
二,ガンジス流域の国家形成からマウリヤ帝国へ
三,相次ぐ外来勢力の到来とインド洋交易
四,グプタ朝による北インドの統一と地域勢力の成長
五,中世初期地域王権の成立と地域社会の形成
六,イスラームの展開と在地文化との交流
おわりに
東南アジア世界の形成と展開……青山 亨
はじめに
一,初期国家形成とインド化
二,七世紀以降の初期国家の形成
三,九世紀― 一○世紀の転換期以降の国家群
四,一五世紀以降の東南アジア
おわりに
問題群|Inquiry
南アジアにおける国家形成の諸段階……三田昌彦
はじめに
一,マウリヤ帝国??早熟な巨大帝国とその構造
二,グプタ帝国――サンスクリット王権の形成
三,中世初期の地域国家統合プロセス
四,国家形成から見た一○ ― 一三世紀の歴史的特質
インド洋・南シナ海ネットワークと海域東南アジア……鈴木恒之
はじめに
一,海のシルクロード
二,シュリーヴィジャヤ王国
三,シャイレーンドラ朝
四,三仏斉・ムスリム商人
五,チョーラ朝の海峡域進出と中国商人の活動
六,マジャパヒト王国
七,イスラーム化の始動
おわりに
サンスクリット語とパーリ語のコスモポリス……馬場紀寿
はじめに
一,サンスクリット・コスモポリスの成立
二,サンスクリット仏教
三,サンスクリット語を越える仏教
四,スリランカの大寺派と大乗
五,パーリ・コスモポリス
南アジアにおけるムスリムの活動とイスラームの展開……二宮文子
はじめに
一,ムスリムの南アジア進出とムスリム王朝の展開
二,デリー・サルタナト時代のムスリム社会とイスラーム
三,デリー・サルタナト支配と非ムスリム
四,南アジアにおける宗派認識とムスリム
五,デリー・サルタナト時代の文化
焦点|Focus
南アジアの古代文明……小磯 学
一,インダス文明とは
二,古環境
三,編年的枠組みと遺跡分布
四,都市――外見的特徴
五,インダス式印章と信仰,文字
六,交易活動と交易品
七,葬制
八,文明社会の実態
ドンソン文化とサーフィン文化――東南アジアの鉄器時代文化……山形眞理子
はじめに
一,ドンソン文化とサーフィン文化を取り巻く歴史的環境
二,金属器文化の土着の発展
三,ドンソン文化とサーフィン文化の在地社会
四,鉄器時代の広域ネットワーク
五,鉄器時代の多様な甕棺葬
おわりに
東南アジアの古代国家……田畑幸嗣
はじめに
一,長い助走期間
二,扶南をどう捉えるか
三,扶南と真臘
おわりに
女神信仰とジェンダー……横地優子
はじめに
一,女神たちの三階層化
二,〈戦闘女神〉の成立とその最高神化
三,母神群,七母神,ヨーギニーたちと〈死の女神〉
四,南アジアの女神信仰とジェンダー
アンコール朝の揺れ動く王権と対外関係……松浦史明
はじめに
一,アンコール朝の創始と王権の確立
二,挑戦を受ける王権,変容する国のかたち
三,広がる版図,開かれる王朝
四,アンコール朝の崩壊とその後
おわりに
インド洋海域史から見た南インド……和田郁子
はじめに
一,モンスーン航海の発展と南インド
二,海が育んだ沿岸部社会の多様性
三,インド洋交易の展開と南インドの諸王朝
おわりに
コラム|Column
ガンダーラ美術と大乗仏教……宮治 昭
中世日本の世界観と天竺……応地利明
バガン王国と仏塔……伊東利勝
カンボジア人保存官を育てて三五年――アンコール・ワットの修復現場から……石澤良昭
世界を駆け巡るインドの綿織物……鎌田由美子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ピオリーヌ

17
三田昌彦「南アジアにおける国家形成の諸段階」より。アショーカ王の名が日本でも有名なマウリヤ朝。前三世紀に南アジアのほぼ全域を統合する大帝国を打ち立てたマウリヤ朝。古代の帝国は一般に形成されるが、マウリヤ帝国は湿潤な稲作地帯から発しており、世界的に特異であった。首都パータリプトラはガンジス川中流域に位置しており、稲作の穀倉地帯である。マウリヤ帝国は分権的な性格を有し、点と線の統治であった。その帝国形成はかなり早熟で、領域内の経済的格差が極めて大きかった。「この早熟的な帝国形成の出発点と2023/12/30

MUNEKAZ

15
先史時代から中世までの南アジア・東南アジアの歴史を概観する。扱う地域も時間軸も広いので、前半の通史の部分は駆け足気味でちょっと物足りない印象。ただ後半の「焦点」では、考古学の成果による古代文明の解析や、宗教の伝播に関するものは興味深いものが多い。ヒンドゥー教における女神信仰の篤さと、それに反比例するような現実世界の女性の地位のギャップを扱った論考は、ジェンダーに目配せした今の時代らしい着眼点なのではないかと思う。ある程度、インドや東南アジアについて知識を付けてから読むと、発見が多くて面白いかな。2022/07/05

kenitirokikuti

7
図書館にて▲馬場紀寿「サンスクリット語とパーリ語のコスモポリス」。これは同氏による『仏教の正統と異端-パーリ・コスモポリスの成立』の部分に近いようだ。インド学者シェルドン・ポロックによる「サンスクリット・コスモポリス」論を借りて、「パーリ・コスモポリス」論を立てる。ネーミングから察せらるように、アレクサンダー大王の征服によりギリシャ語が地域共通語になったあれらがモデルやね/スリランカには史書が成立しため、新しい王家が旧王都の僧伽を庇護して正統性を得る慣習ができ、これが東南アジアに伝播した。2023/08/12

ポルターガイスト

4
南アジア史弱いので東南アジアとの結びつきの中で認識を更新できてよかった。サンスクリット・コスモポリスやチョーラ朝の遠征などにみる唐宋変革の国際的インパクトなどに気づけた。2025/02/11

Go Extreme

3
南アジア世界の形成と発展: 原史から歴史へ 中世初期地域王権の成立と地域社会の形成 イスラームの展開と在地文化との交流 東南アジア世界の形成と展開 南アジアにおける国家形成の諸段階 インド洋・南シナ海ネットワークと海域東南アジア サンスクリット語とパーリ語のコスモポリス 南アジアにおけるムスリムの活動とイスラームの展開 南アジアの古代文明 ドンソン文化とサーフィン文化 東南アジアの古代国家 女神信仰とジェンダー アンコール朝の揺れ動く王権と対外関係 インド洋海域史から見た南インド2022/07/08

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