岩波講座 世界歴史 第1巻 世界史とは何か

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岩波講座 世界歴史 第1巻 世界史とは何か

  • ISBN:9784000114110

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内容説明

人類の過去の営みを叙述することが,どのように生まれ,変容し,人々にとって政治的・教育的にどのような意味をもってきたのかを概観する.とりわけ日本社会における「世界史」の展開を,専門家だけでない一般市民の歴史実践という観点から分析する.グローバル・ヒストリーやビッグ・ヒストリーの知見も取り入れた新しい「世界史」研究の全貌.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

本講座の編集方針と構成について
展 望―Perspective
〈私たち〉の世界史へ?????小川幸司
一,一人ひとりの世界史
二,世界史実践の軌跡をたどる
三,日本の世界史実践とその課題
おわりに――〈私たち〉の世界史へ
問題群―Inquiry
人は歴史的時間をいかに構築してきたか?????佐藤正幸
はじめに
一,キリスト紀年の成立と紀元前という概念の発明
二,キリスト紀年の変容と基軸紀年への道
三,キリスト紀年はなぜ世界的普及が可能だったか
四,アラビア数字がキリスト紀年の世界普及に果たした役割
五,キリスト紀年の世界普及と脱宗教化の諸相
おわりに
世界史のなかで変動する地域と生活世界?????西山暁義
一,「地域」と「地域史」
二,領域の境界
三,国民国家と地域
四,つながり・伝播・比較――地域の結びつきと結びつけ
おわりに
現代歴史学と世界史認識?????長谷川貴彦
はじめに
一,社会史パラダイム
二,転回1.0――物語と文化
三,転回2.0――空間と時間
おわりに
焦 点―Focus
ジェンダー史の意義と可能性?????三成美保
一,世界史的課題としてのジェンダー平等
二,ジェンダー史の成立と発展――フェミニズムと隣接諸学
三,二一世紀のジェンダー史――新たな展開
四,非西洋世界のジェンダー史の進展
五,歴史学におけるジェンダー視点の主流化に向けて
「サバルタン・スタディーズ」と歴史研究・叙述?????粟屋利江
一,「サバルタン・スタディーズ」の登場
二,「下からの歴史」から「ポストコロニアル研究」へ
三,「サバルタン・スタディーズ」が問うたこと
四,二一世紀の「サバルタン・スタディーズ」
環境社会学の視点からみる世界史――先住者の生活戦略から探る持続可能な社会?????金沢謙太郎
一,〈人と環境〉の歴史
二,先住者たちの社会
三,食の生活戦略
四,交流の生活戦略
五,世界史から探求する持続可能な社会
「感染症の歴史学」と世界史――パンデミックとエンデミック?????飯島 渉
はじめに
一,ペストの歴史学
二,ペストの中国史
三,「歴史総合」という契機――パンデミックとエンデミック
おわりに――「ユニバーサル・ヒストリー」としての「感染症の歴史学」
ヨーロッパの歴史認識をめぐる対立と相互理解?????吉岡 潤
一,危機の三〇年
二,ポーランドにおける歴史
三,ポーランドにおける「過去をめぐる戦争」
四,歴史政策の求心力と遠心力
五,歴史認識問題をめぐる理想主義と現実主義
東アジアの歴史認識対立と対話への道?????笠原十九司
一,東アジアの歴史認識対立構造の変容
二,歴史研究者・歴史教育者による歴史対話の試み
三,戦争被害者との歴史対話――中国人戦後補償裁判運動
四,二一世紀の東アジアの歴史認識対立
五,日韓歴史共同研究と日中歴史共同研究
六,東アジア市民による歴史対話への道――「未来をひらく歴史」
新しい世界史教育として「歴史総合」を創る――「自分の頭で考え,自分の言葉で表現する」歴史学習への転換?????勝山元照
はじめに
一,高校歴史教育の転換と「歴史総合」の成立
二,神大附実践と主題的単元史学習
三,新指導要領下での「主題的単元史学習」の深化
おわりに
コラム―Column
デジタル技術を活用した歴史研究の展開?????後藤 真
「民族共生象徴空間」と高校「世界史」――『ウポポイ』upopoi(原意:「歌うこと」) ?????吉嶺茂樹

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

95
むかし佐藤優さんの本の感想で旧版の岩波講座の世界歴史を読んだことがあるのですが、その新版が出ることになり読み始めました。従来のものとは異なりかなり読みやすくなっているのと最近の状況を入れているような気がしました。この最初の巻ではジェンダー史の意義とか感染症の歴史学といった論文が収められています。今後のものも楽しみです。2021/11/04

壱萬参仟縁

51
小川幸司先生には、昨年、面接機会があった。詳細は避ける。いい話はなかったから。小川校長によると、歴史とは、歴史学者や歴史教育者だけが探究するものではなく、日常生活の中で参照し行動するもの(005頁)。民衆史の色川大吉先生を想起。西洋史学がご専攻?の小川校長は、歴史学、世界史実践に6層構造を提起(013頁~)。実証、解釈、批評、叙述、対話、創造。私は歴史研究者でない(他分野では端くれ)ので、理論より実践を考えて世界史を学びたい。開発教育はやったことがある。2022/02/11

崩紫サロメ

25
刊行中の新シリーズ。責任編集の小川幸司を筆頭に、高校で歴史教育に携わる人々も多く加わる。高校の新課程において日本史と世界史を統合した「歴史総合」が始まり、小川の<展望>では「世界のつながりを考える世界史」のあり方について考察する。<問題群>では史学史、ジェンダー史、サバルタン・スタディーズ、感染症の世界史など、基本概念から、前シリーズでは扱いの小さかったテーマまで、バランス良く扱われている。各テーマの入門書としても読みやすい。2022/04/19

ピオリーヌ

22
キリスト紀年の世界的普及の背景、サバルタン・スタディーズが果たした役割、環境社会学の視点から見る世界史、感染症の歴史学、ポーランドにおける歴史認識、東アジアの歴史認識対立、「歴史総合」への取り組み等読みごたえある論文が並ぶ。歴史学の入門編として相応しい一冊だと感じる。他の巻も多いに楽しみ。2022/06/06

さとうしん

20
総論として、ジェンダー、環境、感染症、歴史認識、歴史総合と世界史に関係するトピックで入れなきゃいけない要素は一通り入っている感じ。以降の巻ではどうなるかわからないが、執筆陣は日本歴史と比べると年齢層が高めの印象。一般市民の「歴史実践」に重点を置いた内容。 2021/10/13

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