内容説明
南北アメリカ大陸で独自の文化を築いてきた多様な先住民社会は,コロンブス以降の西欧諸国による植民地化にいかなる影響を与え,その過程をどう生き抜いたのか.先史時代から説き起こし,大西洋と太平洋が接続され日本も含むグローバルな諸関係が形成されるまで,変容していく世界を,先住民と他集団の主体性のせめぎ合いから捉え直す.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
目次
地図
展望|Perspective
南北アメリカ大陸から見た世界史?????安村直己
はじめに――「実体としての世界史」,「認識としての世界史」
一,到達点から見た,南北アメリカ大陸における文明化の過程
二,一四九二-一五一八年のカリブ海域
三,カリブ海から大陸へ――一五一九-五〇年
四,アメリカ植民地の建設か,三角貿易か――一五五一-一六〇〇年
五,周縁で世界史を生きるということ
おわりに――オランダの覇権と太平洋
問題群|Inquiry
北アメリカにおける先史時代社会の諸相?????佐々木憲一
北アメリカ大陸への人の移住とパレオ・インディアン文化(一万二八〇〇年前以前)
一,極北 Arctic
二,亜極北 Sub-Arctic
三,大平原 Great Plains
四,北西沿岸 Northwest Coast
五,高原 Plateau
六,大盆地 Great Basin
七,カリフォルニア
八,南西部 Southwest
九,北東部 Northeast
一〇,南東部 Southeast
アンデスとメソアメリカにおける文明の興亡?????関 雄二
一,アメリカ大陸の古代文明
二,時代区分
三,文明形成の基礎条件――完新世環境への適応
四,公共建造物の出現――アンデスでの先行現象
五,メソアメリカの先古典期――文明の前奏曲
六,社会の複雑化の進展――国家への道筋
七,古典期メソアメリカ社会――文明要素の結晶化
八,アンデスにおける帝国の誕生
九,メソアメリカの領域国家――都市と同盟
一〇,アメリカ大陸の古代文明の特質――世界観の体現化
マヤ人から見たスペインによる征服と植民地支配?????大越 翼
一,はじめに
二,マヤ社会の特質――王権を支えていた対人主義
三,スペイン人による征服とマヤ人の対応
四,マヤ人にとっての植民地時代
五,おわりに――マヤ人にとっての「征服」と植民地時代
焦 点|Focus
トレント公会議とアンデスにおける先住民布教?????網野徹哉
緒 言
一,アンデスにおける初期の宣教
二,アンデスにおけるトレント公会議
三,司祭を訴えるインディオたち
一六世紀メキシコからみたグローバルとローカル――女性と家族を中心に????? 横山和加子
はじめに
一,グローバルな骨格
二,植民地の新秩序と女性・家族
三,女性を介した植民地有力階層の形成――富・権力・姻戚
結 び
「先住民の黄金時代」とセトラー・コロニアリズムの衝撃――北米におけるイギリス人の経験から?????金井光太朗
はじめに
一,アメリカ先住民の黄金時代
二,ミドル・グラウンドと先住民世界の変容
三,セトラー・コロニアリズムと民族浄化
おわりに
一七世紀フランスの初期植民会社と小アンティル諸島?????大峰真理
はじめに
一,フリビュスティエが拓く小アンティル諸島
二,王立植民会社と実務者たち
三,初期プランテーション型植民地の実像
おわりに
アメリカ植民地の経済とスペイン黄金世紀――《宮廷の侍女たち》のエンコミエンダ?????小原 正
はじめに
一,エンコミエンダ制の変遷
二,宮廷の侍女たちとエンコミエンダ
おわりに
徳川家康のメキシコ貿易交渉と「鎖国」?????清水有子
はじめに
一,ルソンとの初期交渉
二,メキシコ貿易交渉の展開と転回
三,交渉の破綻
おわりに
コラム|Column
大海を越える情報ネットワーク ――一七世紀メキシコのクリオーリョ・アイデンティティ?????川田玲子
スペイン帝国文書ネットワークの昔と今?????佐藤正樹
スペインによるフィリピン統治?????菅谷成子
「辺境」カナダへの進出 ――鱈と毛皮をめぐるイギリスとフランス?????細川道久
ポルトガル帝国からみた環大西洋世界?????鈴木 茂
感想・レビュー
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MUNEKAZ
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