岩波講座 世界歴史 第5巻 中華世界の盛衰 4世紀

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岩波講座 世界歴史 第5巻 中華世界の盛衰 4世紀

  • ISBN:9784000114158

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内容説明

先秦時代から西晋に至るまでの東アジア世界は,いかなる思想のもとにあり,どのような制度を備えていたのかーー政治史のみならず,文学や家族制度・性差,地方行政のあり方から日本を含む周辺諸国とのかかわりまで射程に収め,考古資料も駆使して新たな時代区分でダイナミックに描き出される「中華世界」の栄枯盛衰.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

展望―Perspective
中華世界の重層環節 その第一幕?????冨谷 至
はじめに
一,中国,諸夏,夷狄,四海,天下
二,礼的世界――中華の内実
三,統一帝国と周辺民族
四,礼法国家その実態
五,落日へと向かう漢人中華帝国
六,終焉――次なる中華へ
本章を閉じるにあたって
問題群―Inquiry
「中華帝国」以前?????吉本道雅
序論
一,殷
二,西周
三,東遷期から春秋中期
四,春秋後期
五,戦国
六,華夷思想の形成
結 語
軍事制度からみた帝国の誕生――秦から漢へ?????宮宅 潔
はじめに
一,秦の諸制度
二,軍事行動の実態――征服戦争の展開と占領統治
三,秦から漢へ
おわりに――武帝の勝利が生んだもの
漢帝国の黄昏――前漢から後漢へ?????鷹取祐司
はじめに
一,前漢後期前半(昭帝―宣帝 前八七―前四九年)
二,前漢後期後半(元帝―哀帝 前四九―前一年)
三,王莽執政期(平帝―王莽・新 前一―後二五年)
四,後漢前期(光武帝―章帝 二五―八八年)
五,後漢中期(和帝―鄧太后臨朝期 八八―一二一年)
六,後漢後期(安帝親政期―献帝 一二一―二二〇年)
おわりに――誠信による世界
漢人中華帝国の終焉――四夷中郎校尉から都督へ?????石井 仁
はじめに
一,「西北の列将」と魏晋政権
二,魏晋政権による四夷中郎校尉の新設と「軍州分離」政策
三,西晋末の益州と護西夷校尉・護南夷校尉
四,都督制の発達と流民・非漢人,村塢
おわりに
焦点―Focus
漢代地方官吏の日常生活?????髙村武幸
はじめに
一,漢代官僚機構の概観――地方行政機構を中心に
二,地方官吏の日常生活と漢帝国の統一
三,地方官吏の日常生活がもたらした遠心力
おわりに
漢魏晋の文学に見られる華と夷?????釜谷武志
一,李陵と蘇武
二,漢代の詩
三,王昭君をめぐって
四,北をうたう詩と歌謡詩
礼秩序と性差?????古勝隆一

一,殷周から西晋にいたる礼の概観
二,性差はいかにとらえられたか――礼書が示す男女の差異
三,歴史上の礼実践における女性の位置
結び
楽浪と「東夷」世界――三世紀にいたる秘められた水脈?????田中俊明
一,遼東郡の設置と夫余
二,衛氏朝鮮国の成立
三,楽浪郡の設置と推移
四,帯方郡の分置と高句麗・韓
五,東夷伝の成立と倭人伝
漢晋期の中央アジアと中華世界?????荒川正晴
一,中央アジアの社会と国家
二,前漢期の西域経営と中央アジアおよび周辺情勢
三,後漢期の中央アジア・西北インド情勢と中国の西域経営
四,タリム盆地のオアシス諸国の情勢
五,魏・晋朝と中央アジア諸国・商人
おわりに
コラム―Column
漢字の誕生?????吉本道雅
簡牘について?????髙村武幸
四六駢儷文(しろくべんれいぶん)?????釜谷武志
朝鮮半島の漢字受容?????田中俊明
書芸術の成立?????冨谷 至

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

90
第2回配本は、第5巻で中華世界の盛衰ということで殷周秦漢西晋の状況を俯瞰してくれます。漢の時代の行政機構などをわかりやすく悦明してくれているところが参考になりました(漢代地方官吏の日常生活)。「楽浪と「東夷」の世界」では日本のことについて触れられています。この全集は私にとっては若干難しいものですが楽しめる部分もあります。2021/12/31

MUNEKAZ

16
展望で華夷秩序の形成を論じており、中華と夷狄は敵対するものと捉えがちだが、そうではなく夷狄も古代の聖王の末裔であり、中華によって教化され取り込まれるものとして解く。それは帝国拡大の原動力となるとともに、後の崩壊のトリガーでもあったという皮肉な結果。また「名」の部分と「実」の部分を使い分ける功利的目的合理性は、現代中国をみても確かにあるよなと雑に思ったり。他に秦漢帝国の統一により生まれた地方官吏たちのネットワークが、動乱期の群雄割拠に繋がったというのも面白い。統一は見知らぬ他者を繋げ、分節化を生むのである。2021/11/17

えとろん

15
中国文明の黎明から三国時代までの論文集。冒頭の冨谷論文が新しい視点を低湿している気がする。他論文もそのながらをある程度受け継ぎつつ展開されているように思えるがどうなのだろう。周辺の異民族が中華文明を継承、拡大、変化させ、それは移動したのは文化ではなく民族であるということを考えさせられた。2025/05/02

ピオリーヌ

15
【展望】の冨谷至「中華世界の重層環節」より、「中華の重層環節的拡大は、中華の希薄化とそれによる消滅の過程である」『春秋公羊伝』に現れる、中華の夷狄に対する妥協なき差別観の凄まじさが印象的。「秦以外の諸国をも包括し、かつ少なくとも西周以降を通時的に展望しうる先秦史の復元が今後の課題である」「光武帝による材官等廃止によって、軍事訓練を受けた常備兵が郡国には存在しなかったため〰羌の大反乱等の際にしばしば反乱軍に敗北する結果となった。」2022/09/09

kenitirokikuti

12
図書館にて、古勝隆一「礼秩序と性差」の「二、性差はいかにとらえられたか――礼書が示す男女の差異」▲列子天端篇、男女の別、男は尊く女は卑し▲荀子非相篇、鳥獣に父子の関係はあるが、いつくしみはない。また牡牝あっても男女の別なし。ヒトにはある▲ 春秋左氏伝 荘公24年。女への礼物が、男のへの礼物と同じものだった。男女の別というけじめに乱している▲もとは婚姻の儀礼に関するもの。日本神話のイザナミ・イザナギの国産みで、柱を回ったあとどちらが先に声をかけるのが正しいのかってやつもそのたぐいか。2022/01/17

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