岩波講座 世界歴史 第6巻 中華世界の再編とユーラシア東部 4~8世紀

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岩波講座 世界歴史 第6巻 中華世界の再編とユーラシア東部 4~8世紀

  • ISBN:9784000114165

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内容説明

漢帝国の崩壊後,さまざまな民族が激しく衝突・接触・融合し,中華世界は新たな中華の型となる隋唐帝国を創り出した.これまでの東アジア世界を越え,ユーラシアサイズでこの再編の動きを捉え直すと,一体どのような姿が浮かび上がるのだろうか.ユーラシアの東部と西部が重なり合う境界地帯を視座に据え,新生中華の全貌を鮮明に描き出す.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

展望|Perspective
中華世界の再編とユーラシア東部?????荒川正晴
はじめに
一,何故,ユーラシア東部なのか
二,中華内部の動向
三,ユーラシア東部のなかの中華世界の再編
結語
問題群|Inquiry
十六国北朝隋唐政権と中華世界?????佐川英治
はじめに――中国史の分水嶺としての四世紀
一,ポスト漢帝国
二,「惹水」以後
三,皇帝可汗
四,王権の仏教受容
五,隋唐制度の形成
おわりに――中国の統一から中華の統合へ
トルコ系遊牧民の台頭?????鈴木宏節
はじめに
一,遊牧民の「国家」をめぐって
二,トルコ系遊牧国家の基本構造
三,突厥のタルカンと部族支配
結 び
隋唐国制の特質?????辻 正博
はじめに
一,周隋革命と開皇の国制
二,唐王朝の成立事情と唐初の国制
三,開元官制の成立
四,隋唐の律と令
五,軍制
おわりに――隋唐国制の特質
焦点|Focus
南朝の天下観と伝統文化?????戸川貴行
はじめに
一,東晋の中原恢復と雅楽整備
二,南朝の天下観と雅楽整備
三,北斉・北周・隋への影響
おわりに
東南アジア世界と中華世界?????桃木至朗
序 この章の課題と目的
一,「インド化された諸国の古代史」の刷新
二,「マンダラ国家」群の形成(四―八世紀)
三,「憲章時代」の東南アジアと唐宋変革(九―一四世紀)
チベット世界の形成と展開?????岩尾一史
はじめに
一,吐蕃の興隆とその国家体制
二,吐蕃の国家
三,宗教と吐蕃
四,チベット仏教文化圏の登場
おわりに
朝鮮史の形成と展開?????李成市
はじめに
一,朝鮮三国の国家形成の諸相
二,新羅国制転換の画期と新羅王権
三,百済・高句麗滅亡と支配集団の再編
四,領域拡大と「三韓一統」意識の形成
五,骨品体制国家の変容
おわりに
中華と日本――日本国の成立?????冨谷 至
一,「倭王」
二,『日本書紀』の「倭皇」
三,倭国から「日本」へ
四,「日本」の成立
小結――華夷秩序と日本の独立
交拝する夫婦――婚礼からみた中国ジェンダー史の一コマ?????下倉 渉
はじめに
一,親迎
二,交礼
三,拝時
四,青廬
おわりに
コラム|Column
中華世界における胡語の漢字音写?????吉田 豊
唐代の仏教と訳経事業?????中田美絵
遊牧民の文字の創作?????齊藤茂雄
中華におけるソグド人の生活・文化 ――墓葬資料から探る?????影山悦子
中国語上古音の最近の推定から見た本邦最古の漢字音?????遠藤光暁

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MUNEKAZ

21
五胡十六国時代から唐の盛期までを扱った論集。本書のテーマを一言で表すなら「多元化」でしょうか。漢代までの中華秩序が崩壊し、「皇帝」の乱立や「天可汗」「天皇」といった新たな称号が並立するようになる。中国のみならず、朝鮮半島や日本、東南アジア、チベットにも目配せすることで、その地域独自の中華思想や秩序の萌芽が感じられる。また文化の融合も印象的で、「雅楽」を通して南北朝期の胡漢、南北の交じり合いを描いた論は、大変興味深いもの。新しい「伝統」が作られた時代でもある。2022/08/06

ピオリーヌ

12
隋の文帝による改革の影響の大きさ。辻正博「隋唐国制の特質」より。郡を廃止し、州ー県の二級制としたのみならず、地方官の任免権を中央の吏部に回収。595年に郷官が廃止されると、地方統治は現地とは関わりを持たぬ中央派遣の官員によって担われることとなった。この改革によって、州郡の属僚に辟召されることで在地社会に影響を及ぼしていた門閥貴族は、その牙城を失うこととなった。また三年ほどの任期で移動する州長官に代わり、胥吏(現地採用の下級吏員)が地方政治に隠然たる影響力をもつようになるのは、これを契機とする。2022/11/06

ポルターガイスト

1
漢帝国とローマ帝国の崩壊過程およびそこからの新秩序の形成について,東西の違いや共通性をいろんなところで感じられて世界史教育の観点から有用だった。2025/02/17

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