岩波講座 世界歴史 第2巻 古代西アジアとギリシア ~前1世紀

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岩波講座 世界歴史 第2巻 古代西アジアとギリシア ~前1世紀

  • ISBN:9784000114127

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内容説明

人間は狩猟採集や農耕牧畜,遊牧を通じてどのように社会経済活動を始め,そこから都市・国家・帝国の原型はいかに形成されていったのか.考古学の最新知見に基づき先史時代の実態を解明するとともに,西アジア・エジプト・ギリシアの諸地域を相互の影響関係に着目しつつ論じ,地中海から中近東にいたる古代世界の新たな像を提供する.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

地 図
展 望―Perspective
古代西アジア――新石器時代からヘレニズム時代まで……………近藤二郎
一,古代西アジアの領域と「オリエント世界」
二,古代エジプトの位置づけ
三,先史時代の社会の歴史叙述
四,古代西アジアにおける文字の誕生と文字による記録
五,古代西アジアにおける都市国家の誕生からアケメネス朝ペルシアまで
六,古代イスラエル史叙述の問題点
七,古代エジプトにおける歴史概観
八,天文現象と古代西アジア・古代エジプトの編年
ギリシアとヘレニズム――ポリスと周辺世界のダイナミズム……………橋場 弦
一,問いなおされる古代ギリシア史
二,ポリスの誕生と展開
三,古典期のギリシア世界
四,ヘレニズムからローマへ
問題群―Inquiry
古代オリエント文明の骨格――都市・農村社会と遊牧部族社会の形成……………藤井純夫
一,農耕牧畜の始まり(先土器新石器時代B)
二,移牧の派生(先土器新石器時代B)
三,農耕牧畜社会の拡大(後期新石器時代)
四,移牧から遊牧へ(後期新石器時代)
五,都市・農村社会の形成(銅石器時代―前期青銅器時代)
六,遊牧部族社会の形成(銅石器時代―前期青銅器時代)
七,古代オリエント文明へ(前期青銅器時代後半)
おわりに
古代メソポタミアにおける神々・王・市民……………柴田大輔
はじめに
一,都市と市民
二,神殿と神々
三,王・王宮・国家
おわりに
古代ギリシアのポリス……………佐藤 昇
はじめに
一,ポリス(都市国家)文化の形成
二,ポリスの秩序維持
三,ポリスの財政と交易推進策
四,ポリスと宗教活動
おわりに
焦 点―Focus
西アジア新石器時代における社会システムの転換……………三宅 裕
はじめに
一,生業と社会の関係
二,先土器新石器時代における社会の複雑化――複雑な狩猟採集社会
三,社会システムの転換――「新石器の崩壊」をめぐって
おわりに
初期国家形成期のエジプト――ヒエラコンポリス遺跡にみる社会の複雑化……………馬場匡浩
はじめに
一,ヒエラコンポリス遺跡
二,墓からみた階層化
三,集落からみた専業化
四,初期国家の形成
シュメール都市国家における王権と祭儀……………唐橋 文
はじめに
一,シュメール都市国家の王と王権
二,王権と祭儀
おわりに
新王国時代第一八王朝のエジプト……………河合 望
一,前二千年紀中葉のエジプトと周辺地域
二,新王国時代第一八王朝初期の展開
三,第一八王朝の対外関係
四,アマルナ宗教革命
おわりに
アッシリア帝国――その形成と構造……………山田重郎
はじめに
一,国家アッシリアの原点としての都市アッシュル
二,領域国家の成立
三,「先帝国期」――衰退からの回復と領土再征服
四,帝国の成立――行政州分割と中央集権
五,帝国の行財政構造
六,複合国家の文化的多様性と統一への施策
七,アッシリア帝国の崩壊とその要因
エピローグ――アッシリアの遺産
ヘブライ語聖書と古代イスラエル史……………長谷川修一
一,高校世界史教科書における古代イスラエル史記述
二,教科書記述の検討
三,ヘブライ語聖書執筆・編纂の歴史的背景
おわりに
ミケーネ宮殿社会からポリス社会へ……………周藤芳幸
一,二つの文明,二つの社会
二,ミケーネ宮殿社会の経済構造
三,宗教文化とその景観
四,継承と革新の世紀
ジェンダーからみたアテナイ社会……………栗原麻子
はじめに
一,男性市民の社交空間
二,「男らしさ」のヒエラルキー
三,家のなかの女性たち
四,オイコスの傘の外で
五,ポリス宗教と女性
六,女たちの声と民主政
おわりに
アケメネス朝ペルシア帝国とギリシア人……………阿部拓児
はじめに
一,帝国で活躍するギリシア人
二,ペルシア大王の地理認識
三,多様なる世界の統治者として
四,ペルシア大王の世界観におけるギリシア
おわりに
ヘレニズム時代のポリス世界……………長谷川岳男
一,ポリス衰退の時代?
二,ポリスの自律性
三,ポリス内部の変化
四,ローマ帝国の民へ
コラム―Column
歴史と探究,歴史の探究……………上野愼也
シュメール語とアッカド語……………唐橋 文
古代エジプトの女王……………山花京子
『バビロン天文日誌』と十二宮・占星術……………三津間康幸
ヘレニズムからローマへ……………伊藤雅之

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

さとうしん

15
ローマとセットにして西アジア地域と二項対立的に論じられがちだった古代ギリシアを西アジア史の文脈に位置づけたというのが特色ということになるだろうか。山花コラムで触れられている古代エジプトの女王が王朝末期に現れるというのは、日本の女帝と比較すると面白そうである。栗原焦点では古代ギリシアの少年愛について、愛され役の少年が長じて愛し役として成長しないと蔑視の対象となったというのが興味深い。阿部焦点のペルシアとギリシアが互いにどう見ていたのかという話も面白い。2024/02/14

MUNEKAZ

9
扱う期間も地理的範囲も広い一冊。ただボリューム満点とはならず、なんとなく一個一個の論が食い足りないというか、「それで?」と思ったら終わってしまう勿体なさを感じる。せっかく前の岩波講座よりも範囲を広げたのだから、テーマを明確にして地中海世界のダイナミックな共時性や関係性を打ち出した方が良いのではと。西方と東方が出会うヘレニズム期なんて、まさに本書で扱う地理的範囲にうってつけだと思うが、スルーに近いのはどうなんでしょ。2024/07/28

kenitirokikuti

7
図書館にて。えっと、2004年に日本オリエント学会による『古代オリエント事典』が岩波から刊行。それを受けて岩波ジュニア新書にも古代メソポタミア文明史の本が追加された(古代エジプト史ものも新たに追加)。楔形文字や神聖文字の解読は19世紀前半なので、ヘーゲルの歴史論にはそれらは含まれないはずだよな。インドと中国はちょっと扱われている。2025/12/06

赤白黒

4
対象は先史時代〜ヘレニズム期。所謂「地中海世界」の枠組を解体し、西アジアとギリシアを一体のものとして捉える。農耕牧畜の発祥にしても、ポリス社会の展開にしても、個別の地域研究の進展(主として考古学的成果)により、従来の概括的な議論が通用しなくなってきている。それはそれで興味をそそられるのだが、だからこそこれらを総括して何が得られるのか、研究者のセンスが問われる時代が到来していると感じた。ジェンダーの観点からアテナイ社会を捉えた栗原論文、ペルシア大王がもつある種の「中華思想」を論じた阿部論文が面白かった。2025/05/06

ポルターガイスト

3
比較的マニアックな論考が多く,時代の総合的な見取り図を作れる概説にはなってなかったように思う。一つひとつ見れば面白いんだけど。でもこれは古代文明を扱うときの宿命みたいなものかと思う。世界史探究の授業をするときここはしょーみリストラ対象の単元なんだろうな。それこそすべての文明に共通する特質(文字,暦,青銅器,宗教のような)をおさえる目的を全面に出してパッパと進まないと興味持てない子はひたすら置いてかれるような授業運びになるのだろう。2025/02/04

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