岩波講座 世界歴史 第12巻 東アジアと東南アジアの近世 15~18世紀

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岩波講座 世界歴史 第12巻 東アジアと東南アジアの近世 15~18世紀

  • ISBN:9784000114226

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内容説明

「商業(交易)の時代」を契機に,一五~一八世紀の内陸アジア,東アジア,東南アジアからなる東ユーラシアとそれを取り巻く海域世界で,ヒト,モノ,情報の流れが活性化した.国際秩序の変化,諸国家の展開を描きつつ,都市や港市を中心とした地域社会の再編包括的に描き出す.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

地図
展望|Perspective
はしがき
東ユーラシア圏域の史的展開……………上田 信
はじめに
一,歴史の舞台
二,元―清間期の東ユーラシア圏域西部
三,元―清間期の東ユーラシア圏域東部
四,清朝下の東ユーラシア圏域
おわりに
近世東南アジア社会の展開……………弘末雅士
はじめに――東南アジア史研究の課題
一,一五―一七世紀の東南アジアにおける交易活動の活性化と近世国家の展開
二,港市の社会統合と王権の強化
三,「商業の時代」の終焉とオランダとスペインの植民地経営
四,近世後期の対中国貿易の拡大と東南アジア社会の変容
おわりに――近代植民地体制下における内と外の仲介者
問題群|Inquiry
大交易時代のアジアの海域世界……………中島楽章
はじめに
一,朝貢・海禁体制と海域アジア
二,ポスト鄭和時代
三,胡椒・銀・倭寇
四,交易と紛争の時代
五,東アジア海域と世界市場
おわりに
清朝をめぐる国際関係……………岡本隆司
説明――はじめにかえて
一,興起
二,形成
三,性格
四,変化
展望――むすびにかえて
焦点|Focus
明朝の中央政治と地域社会……………岩井茂樹
一,秩序再建と皇帝の独裁
二,里甲制と共同社会
三,民の対応と里甲の崩壊
おわりに
明代中国における文化の大衆化……………大木 康
一,エリートの大衆化
二,大衆を背景にした知識人
三,出版文化の隆盛
四,通俗文藝の隆盛
五,民衆の発見
結び
マンジュ大清国の支配構造……………杉山清彦
一,ジュシェン(女真)からマンジュ(満洲)へ
二,国制・軍制としての八旗制
三,帝国の構造と運営
四,大清皇帝による統合と執政
清朝時代のモンゴル社会……………柳澤明
一,清朝の拡大直前のモンゴル
二,清帝国の形成とモンゴル
三,ジューンガルと西モンゴル諸集団
四,清朝統治下のモンゴル
五,社会・文化の変容
六,清帝国の動揺とモンゴル
近世後期の大陸部東南アジア……………岡田雅志
はじめに
一,辺境の躍動
二,近世国家の政治統合とその影
三,「華人の世紀」における内陸フロンティア
おわりに
朝鮮時代の国家財政と経済変動……………六反田 豊
一,朝鮮時代の時期区分
二,朝鮮王朝の経済体制と初期の収取制度
三,一五世紀後半以降の経済変動と収取制度の変容
四,一八世紀の国家財政と経済
近世日本の対外関係と世界観……………松井洋子
はじめに
一,織豊政権
二,徳川政権
おわりに
グローバル貿易と東南アジア海域世界の「海賊」……………太田 淳
はじめに
一,貿易構造の転換
二,中国市場志向型貿易と東南アジア海域世界の変容
三,植民地体制と海賊
おわりに
コラム|Column
太平洋を渡った中国陶磁器……………宮田絵津子
西欧に伝達された康熙帝の死……………新居洋子
明清時代の家族と法……………岸本美緒
近世ビルマの借金証文と訴訟文書……………斎藤照子
琉球国から沖縄県へ……………渡辺美季

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MUNEKAZ

15
明清交代の混乱を経て、清朝の安定した統治のもと、旺盛な消費の意欲を見せる中国。それはヨーロッパの商人も引き付け、周辺の東南アジア地域にも波及する。また東アジアでも清朝、徳川幕府、朝鮮による安定した「国際関係」が完成する。焦点はやはり清朝。その多面的な統治は、満漢蒙が混じる複雑な状況に秩序と安寧をもたらし、空前の「消費」を呼び込む。また繁栄による人口増加は、東南アジアに渡る華人たちを激増させ、とくに大陸部では現代のタイ、ミャンマー、ベトナムの国家形成にも影響を与える。アジアが世界経済の中心だった時代である。2022/06/03

kenitirokikuti

6
図書館にて。同シリーズの4巻「南アジアと東南アジア」に続いて借りた。しかし、東南アジア史が目当てだったので、明清が軸となる本書はちと外した。あとやっぱ、モンゴル帝国がユーラシア大陸の東西を繋ぎ、続いてヨーロッパ勢が海路で地球を一周し、交易を読むのが困難になる。馴染みのある日本史との直接対比しないとあかんかなあ2023/08/14

電羊齋

6
近世の東アジア・東南アジア各地域の共時的な変化と独自の発展の双方について焦点を当てる。各地域のヒト・モノ・情報の交流が活発化し、さらにグローバルな情勢もからみ、各地域の一見独自に見える発展の中にも他地域の動向の影響が色濃く見られる。本書の記述には、近年の研究、特に東ユーラシア史、東南アジア史、海域アジア史研究の大きな進展が反映されている。本書を読めば、歴史はやはり「一国史」の集積では成立しないことがよくわかる。2022/07/02

ポルターガイスト

5
本シリーズは新課程の授業づくりをしている世界史教員には本当にありがたい。「こういう授業をしてほしい」「こんなテーマをやってほしい」という界隈のリクエストやコンセプトを押さえられるから。それにしても,一般向けの全集にも関わらずここまで既存の世界観の相対化に特化してるようだと,一通りの流れがかなり把握できてない人には読んでも(歴史総合や歴史探究の授業を受けても)意味不明ではないかという気はするのだが。ほんの数年前からなんと高度で複雑なところに行き着いてしまったんだろうな。ついていけない人間だらけなのでは。2024/04/28

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