内容説明
明治の世に最新口中医療で桂助が大活躍!
藤屋桂助は、妻の志保、親友の鋼次家族とともに、日本に帰ってきた。アメリカでは歯科のある病院で、当初は奴隷同然の扱いだった。桂助は重度の虫歯である院長夫人の命を救い、桂助の優れた抜歯技術を院長に評価されることで、最新の口中医療を学んだ。帰国の際、足踏み式虫歯削り機を持ち帰る。
帰船中、乗客だった富士山太郎一座の大山かじ花が殺害された。そして、鋼次の妻・美鈴も倒れる。美鈴は重症の疱疹であるとわかり安静に過ごすことに。かじ花殺害の件も、桂助が真相を突き止める(「望郷さくら坂」)。
再び〈いしゃ・は・くち〉に戻った桂助を、金五や入れ歯師の本橋が、事件の相談もあり相次いで訪れてくる。
理想とする「歯を抜かない治療」「痛くない抜歯」を進める桂助。痛まない治療のために必要な麻酔薬の入手は難しいことに悩む。そんな時に以前、権力後継の悪だくみを桂助や鋼次の協力で暴いた徳川慶喜が、家臣だった渋沢栄一と治療にやってくる。また、尾形喜久治と名乗る入院患者は、正体不明で桂助と言葉を交わそうともせず……(「寒竹の筍」)。
明治維新の東京で桂助の活躍を描いた、「口中医桂助事件帖」待望の続編が登場!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
47
桂助たちが渡米したところでシリーズが終了したが、一行が明治になって帰国する船の中から新シリーズが始まった。2021/01/12
びぃごろ
14
【口中医シリーズ⑰】アメリカに渡った二家族のその後が描かれる。仲介業者に託したお金は搾取され、掘立小屋で3年間歯科医院で奴隷働き⁉その苦労話はサラリと流され、本編は日本に向かう船の中での殺人事件に突入。同時に美鈴が重い疱疹にかかり、峠は越えたものの横浜に着いたとたん芳田屋の実家へ大八車で運ばれる。里心が付いたか、両親に甘えるばかりでけむし長屋に帰ろうとしない美鈴。両親も鋼次や桂助に辛く当たりこれは離縁の危機か⁉という展開が一番ヤキモキさせられた。岸田も亡くなる。ラストに慶喜と渋沢栄一の登場はサービス満点。2023/04/10
ひさか
14
望郷さくら坂、志保のバラ、彼岸花、寒竹の筍、の4つの連作短編。書き下ろし。新シリーズ1作目。通算17作目。アメリカで修行した桂助達のその後のお話。アメリカでの暮らしと帰りの船中での殺人事件の解決を描く、望郷さくら坂のまとめ方が秀逸。続く話で、桂助の健在が確認できて何よりでした。次巻が楽しみです。2021/02/28
ふわりん
9
あまりに有名な和田はつ子さんの時代小説だけど、私は何か読んでるかなぁくらいの印象。この小説はシリーズだとは知っていたが、「新」なのでここから読んでも大丈夫かなと何となく思ってた。歯科医師の桂助さんがアメリカで修行した帰りの船の中から話が始まった。殺人事件が起こり解決するんだけど、その方法も真相も難しいことは何もなくあっさりしたものだ。以前、桂助さんが大奥に赴き治療する話をアンソロジーで読んだのは面白かった。だけどこれは途中で中弛みがあり、サクサク進まなくて結局後半読まずに返却した。合わなくて残念だった。2021/09/18
むつき
7
前巻で完結したと思っていたので、図書館でこの本を見つけて、まだ続きがあるなんて、びっくり。早速借りて読みました。後日談として、納得の出来。馴染みの友だちに会うように、またまた読みたくなってしまいます。2022/02/02
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