思考のフロンティア第II期<br> 自由

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思考のフロンティア第II期
自由

  • 著者名:齋藤純一
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 岩波書店(2018/03発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000270113

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内容説明

現代における自由への脅威とはなにか.なぜ自由は擁護されなければならないのか.自己決定や自己統治,セキュリティといったトピックと関係づけながら,人間の条件としての自由の概念を更新し,現代社会に生きる私たちの〈間〉にある公共の問題としてとらえ直す試み.他者とともに自由であることの条件をさぐる.

目次

目  次
   はじめに

 Ⅰ 自由概念の再検討

 第 1 章 自由への脅威
  1 近代における自由への脅威
  2 現代における自由への脅威

 第 2 章 消極的自由への批判
  1 消極的自由と積極的自由
  2 自由の質
  3 形式的自由から実質的自由へ
  4 内的制約の問題化
  5 不作為の問題化
  6 干渉なき自由から支配なき自由へ
  7 政治的自由の再生

 Ⅱ 自由の擁護

 第 1 章 自由の再定義
  1 自己への自由
  2 自由の二つの次元──共約的次元と非共約的次元

 第 2 章 自由の規律
  1 自己を統治する自由
  2 自己統治の問題性

 第 3 章 自由と安全
  1 安全としての自由
  2 治安社会と自由

 第 4 章 自由と公共性
  1 自己隔離の「自由」を超えて
  2 他者の自由の擁護
  3 他者の自由への責任

 結びにかえて

 Ⅲ 基本文献案内
   あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

politics

3
バーリンの二つの自由概念等の議論を軸に、アレント、フーコーらの議論も参考に「自由」についてまとめられた一冊。なかでも、自由における共約/非共約的次元での整理の仕方は興味深く、本書の中でも軸になりうるものとも感じた。「自由」概念を考える際、やはり日本における「自由」と主に西洋諸国での「自由」の共通性、異動性をどう捉ええるかも重要な問題になるだろう。2021/11/13

遠山太郎

3
アレント「自由とは何か」『過去と未来の間』、フーコー「自由の実践としての自己への配慮の倫理」『思考集成X』を読んで再読しよう。文中の文献もあらかた読みたい。/フーコーやアレントを言うなら、バーリン消極的自由negative libertyから論じるのはミスリードな気が。近代リベラリズム=バーリンになるわけでなく、そう思ってるわけでもないんだろうけど..つまりは批判でなくても、もっと生産的にできるはず。バーリン「理想の追求」(選集4)を引いてるように単純でないし。1章良いのにFreedomの本だから?..2014/02/20

korouke

2
この高密度は異常。公共性の議論とからめた政治哲学上の「自由」の規範的な定義。んー読みにくい。2009/01/22

ステビア

1
充実した良い本と思います 自己への自由。2013/08/03

世人

0
バーリンの消極的自由概念の再検討をはじめとして、単に干渉からの解放に留まらない「自由」概念の諸相についての簡明な入門書。自己を排他的に支配する主権的自由という考えを否定し、絶えず他者と出会うことで、「今の自己」と異なる自己への変化をなしうることに「自由」を見出す箇所が出色。このような「運動の自由」こそ人間的事象に不可欠の部分であり、取り除かれるべきでないものであることを筆者は強く主張する。2024/03/14

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