思考のフロンティア第II期<br> クイア・スタディーズ

個数:1
紙書籍版価格
¥1,430
  • 電子書籍
  • Reader

思考のフロンティア第II期
クイア・スタディーズ

  • 著者名:河口和也
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 岩波書店(2018/03発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000270045

ファイル: /

内容説明

非異性愛者を差別・抑圧することで,わたしたちの社会はなにを得ようとしてきたのだろうか.その事実に〈学問〉はどのように関わってきたのか.これまでの〈規範〉に徹底抗戦するクイア・スタディーズの可能性に寄り添いながら,異性愛主義によって侵食されたセクシュアリティの現況を考察し,新たな性と生のあり方を探る.

目次

目  次
   はじめに

 Ⅰ レズビアン/ゲイ・スタディーズからクイア・スタディーズへ──欲望の理論と理論の欲望──

 第 1 章 レズビアン/ゲイ・スタディーズ前史
  1 同性愛解放運動の黎明期──ドイツにおける同性愛の「犯罪化」と「病理化」──
  2 ホモファイル運動

 第 2 章 レズビアン/ゲイ・スタディーズ
  1 ストーンウォール暴動
  2 ゲイ解放運動
  3 同性愛──抑圧と解放
  4 ホモフォビアとヘテロセクシズム
  5 レズビアン・フェミニズム
  6 「エスニック・モデル」化する同性愛
  7 セクシュアリティ

 第 3 章 クイア・スタディーズ
  1 クイア理論/研究を取りまく背景
  2 同性愛者,レズビアン/ゲイ,クイア
  3 「クイア理論」の台頭
  4 深刻化するエイズ問題
  5 クイア・アイデンティティ

 Ⅱ クイア・スタディーズという視角

 第 1 章 クイア化する「家族」
  1 非異性愛「家族」の形成
  2 クイア「家族」は近代家族を超えるのか──「家族」から零れ落ちる「家族」──
  3 抑圧する「家族」
  4 選択する「家族」

 第 2 章 資本の欲望とゲイのライフスタイル
  1 同性愛者の人権をめぐる二つの事例
  2 資本主義とゲイ・アイデンティティ
  3 ゲイのライフスタイルと消費

 Ⅲ 基本文献案内
   あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

141
「クイア」とは「変態」や「オカマ」と同じく差別用語である。本書は非異性愛について解説するという角度じゃなく、このクイアと言われるものを歴史と社会全体から見て何が学べるかということを中心にした内容だ。一言に同性愛と言ってもゲイとレズビアンでは社会的にもまったく異質な部分があることや、映画『ハッシュ!』を例に挙げた新しい家族の理論には特に共感できた。一読の価値はあるけれど、初心者には当然のように書かれた専門用語がわからないだろうし、こういった本を何冊か読み込んだ人のほうが理解しやすいかも。(コメント欄に続く)2014/11/30

チェ・ブンブン

17
書いてあることは、「ジェンダー論」の授業でやったことだが、授業より難解だ。如何に教授が噛み砕いて話していたかを体感した本だ。ホモファビアの理論は復習が必要だな。2014/07/04

Nobuko Hashimoto

15
クイアとは、非異性愛に分類される様々なセクシュアリティを集約する言葉であり、かつ学問的にはそれらの間の差異について思考をめぐらせる概念であるという。この言葉自体が一般には耳慣れないものであると思うのだが、本文ではさらに聞いたことのない用語が頻出し、戸惑った。本の体裁からして入門書あるいは概説書的な位置づけなのかと思ったが、そうではなかったのか。あるいは、この分野は専門家とそうでない者との「常識」がよほど乖離しているのか。非異性愛に関する歴史や思考の観点といった内容については勉強になった。2016/07/17

はちくま

3
内容が難しいのではなく(難しいけど)、読み終えた後に自分がそれを噛み砕いて、どう社会に還元していくか、生きていくかというのが難しい。まだ噛み砕けていません。2014/10/17

aftonpsalm

3
「男性同性愛とレズビアニズムが同じ「同性愛」というカテゴリーで一括されることで女性特有の経験の抹消の危険性がある」目から鱗が落ちた。今までセクマイとして生きていく中で同じことを考えていたから。「寛容とは、口あたりのよさによる抹消である。差異に価値を十分に与えることなく差異と表向きの共生を可能にするような差別の一形態である」大いに共感した。「同性愛者なんだ、かわいそうに。でも僕はきみのこと、いままでどおり好きだよ」これまでこんなことを言うひとがどれだけいたか、そしてその言葉がどれほど自分を傷つけてきたか。2012/12/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/29377
  • ご注意事項

最近チェックした商品