集英社文庫<br> 徳の政治 小説フランス革命16

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集英社文庫
徳の政治 小説フランス革命16

  • 著者名:佐藤賢一【著】
  • 価格 ¥638(本体¥580)
  • 集英社(2015/07発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087452969

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内容説明

【第68回毎日出版文化賞特別賞受賞作】公安委員会に加入したロベスピエールは、共和国フランスを幸福に導くには徳が必要であり、徳を実行するためには恐怖が不可欠であるとして、いっそう強力に恐怖政治を推し進めていた。一方、激しい政争の末、劣勢に追い込まれたエベール派は、公安委員会を倒すべく蜂起を企てるが、あえなく失敗。行く手には革命広場の断頭台が――。革命は理想郷を実現できるのか。苛烈さを増す、第16巻。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

45
文庫版の最新刊です。あと2冊を残すのみとなりました。ロベスピエールの考え方というのは力(徳)でもって民衆にわからせるための手段は恐怖政治ということなのでしょう。まあある程度文明が未発達のところではそのような考え方が通用するのですが。エベール派も結局反革命が失敗に終わってしまいます。この後にダントンやロベスピエールの行く末も暗示されます。2015/03/21

Y2K☮

24
反革命の弾圧や反ブルジョワを叫びつつ、実態は己の欲望の為に政治を私物化していたエベール派が断頭台へ。だが彼らの「過ぎた革命」を糾弾したロベスピエールが恐怖政治を続ける矛盾。無欲な徳が正当化する? その挙句が、革命の敵の財産を没収して貧民に分け与える風月法。一見正しいが、真面目にコツコツ貯めた財産でも事実無根の嫌疑一つで奪われる。内外の敵と折衝し、民主的な共和国を守ろうとするダントンとも訣別。革命の為の革命はただの非合法な暴力。徳など無い。過ぎた潔癖は一周回った汚いエゴ。エベールの最期の嘲笑が頭から離れぬ。2015/03/31

イトノコ

19
再読。エベール派は蜂起に失敗、断頭台の露と消える。そしてダントン派にも粛清の影が。この「左派を切ったから右派も切る。それが政治力学」ってのが独裁の独裁たる所以か。ロベスピエールの独裁を正当化する「徳なしでは恐怖は有害であり、恐怖なしでは徳は無力である」には反発を覚えざるを得ない。しかし日本のフィクション作品では「正義なき力が無力なように、力なき正義もまた無力」byアバン先生、「思いだけでも、力だけでも駄目なのです」byラクス・クライン、と似たような事がよく言われている。日本人の精神性に意外と合致するのか?2019/10/04

e

16
エベール派も処刑され、ダントン派にも暗い影が。小説で読んでいると長い間に起きた出来事のように感じますが、年表を見るとマリーアントワネットが処刑されてからまだ半年も経っておらず、短い間に本当に沢山の人の血が流されたんだなと感じます。やっぱりミラボーが生きていればと思わずにいれません。2018/12/13

逢日

16
恐怖政治全盛。徳の政治とはよくぞ言った。くそったれ。作者肩入れのエベールの最期が良かった。佐藤さんはこういう人、旨く描くなーと思う。2018/04/30

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